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Fate/WizarDragonknight
心象変化
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え……いい記憶じゃねえの」

 バングレイがそう言いながら右手を見下ろしている。
 響はビーストを助け起こしながら、バングレイを警戒する。

「コウスケさん、大丈夫?」
「あ、あれ? 大丈夫だ」

 ビーストは自分の体を見下ろしている。ペタペタと触って、異常がないことを確認している。

「ああ。なんともねえ。あいつ、攻撃ミスったのか?」
「……」

 響はバングレイを警戒しながら、再び地面を蹴る。ガングニールの強化された瞬発力で、一気にバングレイとの距離を詰める。

「だああああああ!」

 だが、響の拳は、バングレイの達人と見紛う動きにより回避される。それどころか、響の頭にまで、バングレイの腕が伸びる。

「うわっ!」

 バングレイに捕まれ、適当に投げられる。
 着地した響は、そのままバングレイを警戒した。

「なるほどねえ。コイツもバリ面白れぇ記憶だ」
「何を言っているの……?」
「こういうことだ!」

 バングレイは右手を掲げた。すると、そこから水色の粒子が散布され、人の形を作っていく。それを見た響とビーストは絶句した。
 その反応はまさにバングレイの期待通りだったようで、四つの目が笑みを含んでいる。

「そうそう、そういう顔が見たかったんだよ」

 それは、以前見滝原を恐怖に落とした聖杯戦争の参加者。
 黒く、長い髪と赤い目の女性(アサシン)と、大きく歪められた指輪の魔法使い(そのマスター)
 アカメとアナザーウィザード。

「あの二人……!」
「この前戦った奴らだよな? まさかアイツ、蘇らせたっていうのか?」

 その時、響は前回博物館の戦いの後、ハルトと話したことを思い出した。
 あの時もハルトは、以前倒したファントムが現れたと言っていた。
 そして響は、その結論を口にする。

「記憶の再生……」

 バングレイの答えは、ニヤリと笑む表情だった。それを響が肯定と受け取ったと同時に、バングレイは命令を下す。

「殺れ!」

 それに従い、アカメとアナザーウィザードは同時に響たちに襲い掛かる。

「からくりの分析は後だ! 今は、こいつ等をなんとかしねえと!」
「う、うん!」

 ビーストはアナザーウィザードを、響はアカメと戦闘に入る。
 以前少しだけ関わったときと比べて、少し力量は落ちている。だが、それでも彼女の力が脅威であることに変わりはない。
 素早いその動きに、響は反撃ができないでいた。

___カラダ、ヨコセ___

「うっ!」

 途端に、響は、心臓部分をおさえる。頭の中に響く何者かの声に、平常心が乱されてしまった。そのせいでアカメから目を離し、ガングニールの拳で防ぐことになった。

「しまった……!」

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