暁 〜小説投稿サイト〜
MOONDREAMER:第二章〜
第三章 リベン珠
第14話 THE LUST 3/4
[8/8]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
ような代物が『水』に侵食されでもしたら……。
「! 勇美さん、まずいですよ!」
「えっ?」
 慌てる様子を見せた鈴仙の様子に、勇美は何事かと反応するが、彼女が一体何を言いたいのか計りかねて首を傾げるしかなかったのである。
「もう遅いですよ」
 そうドレミーが言う間に、泡の吐息は次々に周りの歯車へと侵食していったのである。それにより、避けるべき事態が起こったのである。
 機械に水などご法度なのだ。何故なら機械の故障の原因になるからである。そして、その際にはただ機械が壊れるだけでなく、様々な災害に繋がる現象が起こるのだ。
 その一つがショートによる放電であろう。そう、それが今正に起こる所であった。
 水に侵食された歯車はギギギと耳障りな音を立ててその動きがぎこちなくなり、拳銃を発砲する時のような激しい音を立てて辺りに火花と電流が迸ったのである。
 正に辺りは一瞬にして危険遅滞となったのである。そして、このような芸当が出来るのは、夢の世界の機械だからであろう。
 現実世界で機械を造るには多大なコストと費用を費やすのである。故に攻撃の為に壊すなどコストパフォーマンスが悪すぎて誰もが敬遠する事である。
 しかし、この世界の機械は夢の産物であり、無論コストなど存在しない代物なのだ。故に『いくら壊しても出費など元から無い』という事だ。
 この夢だからこそ出来る大胆な戦法に、勇美はたじろいでしまっていた。そして、この状況から身を守る神力機械の使い方をすぐには思いつけなかったのだ。
 もしかした、このように状況が一変していなければ対処のしようもあったかも知れない。だが、『かも知れない』では物事は解決しないだろう。
「まずい……」
 勇美は苦虫を噛み潰すかのようにそう呟いた。さっきまで鈴仙に頼りになる所を見せていたのに、それが急変して今の状態である。
 このまま格好悪い所を大切なパートナーに見せたまま負けるのか。不甲斐ない自分を呪いながら諦めかけたその時……。
「【「障壁波動(イビルアンジュレーション)」】」
 鈴仙のスペル発動の声が辺りに響いたのだった。
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ