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おっちょこちょいのかよちゃん
121 異世界からの依頼状
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は深刻そうに言った。クラスの皆は普段は卑怯者だのと非難しているもののこの日ばかりは不安な反応をしていた。
(藤木君、どこに行っちゃったんだろう・・・?)
 かよ子にも藤木の行方は未だ解らない。また、笹山も不安でいっぱいだった。新学期には戻ってきて欲しいと願っていた。だが、登校中遭遇する事もなく、教室に入っても彼の姿はなかった。そして彼が奇跡的にこの教室に入って来てくれる事を祈った。だが、彼はまる子が遅刻ギリギリで来た後も、戸川先生が入って来た後もその場に姿を現さなかった。児童達は始業式の為、体育館に集まった。そして校長のいつもの無駄に長い話を聞く羽目となっていた。だが、校長はここである問題を取り上げた。
「ええ、日本赤軍だの異世界の人間だの変な人間が激しくなっていますね。皆さんも襲われないように気を付けてください。あと、これと関係があるかどうかは分かりませんが、我が校の三年生の男子がクリスマス・イブの日から未だに行方不明となっております。皆さんも誘拐されないように十分気を付けてください」
 名前を出すまでもなく、藤木の事だとかよ子は感づいた。さらに校長の話はダラダラ続く。
「そういえば先生もこんな赤軍だの異世界だの何だので気を張り詰めた事は三十年前の戦争の時以来でしょう。あの時は空襲が酷くて・・・」
 自身の戦争の体験談を延々と披露していた。25分以上経ってようやく話は終わった。児童達は各々のクラスの教室へと戻る。始業式の日は学校は午前のみの為、帰りの会を終えて皆下校した。

 かよ子は帰宅した。
「只今」
「お帰り、かよ子。そうだわ、部屋に大事な手紙が来たから机に置いておいたわよ」
「大事な手紙・・・!?」
 かよ子は心臓の動きが激しくなった。一体大事な手紙とは何なのか。かよ子は自分の部屋に入った。机の上には封筒が置いてあり、「山田かよ子様」とあった。かよ子は早速中身を見た。
「これは・・・!!」
 封筒の宛名は日本語の仮名や漢字が使われていたが、内容はこの世の物と思えぬ文字だった。杖の使用法を記した説明書と同じ文字だった。だが、かよ子にはその文字が難なく読めた。

 迎春 この手紙を受け取った皆様へ

 今、日本赤軍が勢いを強めていると共に我々の世界でも戦争を正義とする世界の人間に圧力が強まり、平和を正義とする世界が弱まりつつあります。そんな中、赤軍は日本政府に憲法の改正および私達が戦後貧困に喘いでいた者達に渡した四つの道具のうち、杯、護符、杖を献上する事を要求してきました。残りの一つ・剣は既に赤軍に奪われており、残りの三つが全て揃ってしまえば、この日本は再び戦争への道へと進む事となり、我々の世界も滅する恐れがあります。そうなれば、この地球は無慈悲な戦争を起こす星と化してしまうでしょう。三つの道具を献上する要求について
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