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幻の月は空に輝く
修行の章――意外なフラグ発生
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かと、包囲網を作るために起点となるポイントにクナイを配置していく。
 小さな小さなクナイ。クナイが乱舞する中で、何が止まって何が動くと見破るのは難しい。けれど一応用心として、止めて動かしてを繰り返す。
 あぁ。乱舞をつけるのはいいかもしれない。剣乱舞だとありきたりだしそもそも剣じゃなくてクナイだ。どうするかなぁ、なんて必殺技名を考えている私に向かって、お父さんの作り出した剣圧と火が──ここまでくると炎が私へと襲い掛かる。
 私の水球とは対になるような火球。私の水じゃ相殺所か水が蒸発した蒸気が逆に私に対して視界を狭める事になるだろう。
 ちらり、と視線を走らせ、クナイの配置を確認する。指先で繋がってるから目視は必要ないんだけど、如何せんまだ未熟。目視に頼らざるを得ないんだけど。まぁ、要修行って事で勘弁してもらおう。
 所詮まだ五歳だ。
 クナイに回転を与え、そこからも風を発生させる。
「風は火を煽るだけだぞー。俺の火炎急襲が避けれるかな?」
「………」
 そのまんま。ネーミングセンスがいまいち感じられないお父さん。気をつけないと、と心底思う。だって、今の私はその血が混ざってる。
「中途半端な風ならね。でも、真空状態を作り出せば、火は消える」
 要は使い方だよ。そう言って笑えば、その通りだとお父さんも笑う。
 木ノ葉は火の国と言われるだけあって火の属性が多い。それとは逆に風は少なめ。風は火の助けになる、って言ってたっけ。けれど火を助けるはずの風で、私は火を喰らう。
 足止めをする為に宙に浮かせたクナイを絶え間なく放ち、更に印を組んで風の威力を高める。風を流すんじゃなくて、留める。真空状態を作り出さなきゃ、火は消えない。加減を調節するんだけど難しいと、私が更にチャクラを込めようとした瞬間、視線を感じて無意識にクナイをそれに向かっていっきに放ってしまう。

「あ…」

「あー…」

 私とお父さんの声。
 ここはお父さんの結界の中だから、許可がなきゃ入れないはずなんだけど…だから思わず攻撃しちゃったんだけどね。お母さんじゃなかったから。
 けれどその姿を確認した瞬間、僅かに表情を崩して侵入者──もとい来客の様子を確認した。
 流石上忍。無傷だ。
 ちょっと悔しいな、なんて思ったのがばればれだったのか、私と同じ銀の色彩を持つ男がやれやれとばかりに肩を竦めた。
「お久しぶりです」
 カカシさんイタチさん、と、名前は声に出さないでおく。ぺこり、と軽く頭は下げたんだけどね。
「やぁ、カカシ君イタチ君。また壊したのかい? で、ハニーにいれてもらったのかな? でも修行中にぶしつけな視線はいけないよー。俺の可愛い子供をそんな目で見たら武器打たないよ?」
「はっは。カシュウさん冗談でしょ。流石に俺にそういう趣味はありませんよ」

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