暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/WizarDragonknight
マザーズロザリオ
[4/4]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
、結局木綿季ちゃんを___

『でも、ここは天秤にかけるしかないでしょ? それとも可奈美は、怪物になった友達に人喰いをさせるの?』

___それは……嫌だけど……___

『だから……ね?』



 口に入ってきた石をかみ砕く。
 可奈美は大きく目を見開き、解体しようとしてきた黒曜石のレイピアを弾く。そのまま両足をプロペラのように回転させ、木綿季(インプアマゾン)を蹴り飛ばすと同時に跳び起きる。

「だああああああああ!」

 レイピアを立て直すより先に、千鳥で木綿季(インプアマゾン)の体を引き裂く。大きく後退した彼女を足場に可奈美はジャンプ。二度目の剣で、さらに大きく後退させる。

「あはは……あはは……!」

 木綿季(インプアマゾン)の笑い声。可奈美は千鳥を握りなおし、叫んだ。

「さあさあ! もっとやろうよ! 立ち合い!」

 再び迫る木綿季(インプアマゾン)。それに対し、可奈美は突く。
 最初は左肩。そこから右腰に掛けて、合計五回、千鳥で突く。
 そして右肩。そこから左腰へ、これも合計五回、千鳥で貫く。

「うあああああああ!」

 悲鳴を上げながら、可奈美は腰を落とす。全力を込めて、十突きの中心へ一撃を入れた。

「があああああああああああああ!」

 可奈美の最後の一撃は、木綿季(インプアマゾン)の胸を貫く。ビクンと体を動かした木綿季(インプアマゾン)は、そのまま地面を数回跳ね、病院の壁に激突。

「木綿季ちゃん……」

 膝を折った可奈美は、脱力した腕から千鳥をこぼす。だが、可奈美はもうそれを拾う余力もなかった。
 動くこともできず、ただ茫然とインプアマゾンを見つめていた。
 アマゾンの顔。だが、その口元は大きく開き、吊り上がった口角から、まるで笑っている。
 だが、雨の元、小さな悪魔妖精が動くことは、もうない。

「どうして……どうして……!」

 可奈美の悲鳴は、大雨の中掻き消されていった。

「うわああああああああああああああ________!」

 ただそれを。
 千鳥(可奈美の相棒)は、じっと見守っていた。
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ