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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第16話:新体制の幕開けー4
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「了解です。 ところで、部隊長はどのように動く予定だったのですか?」

ルッツが問いかけるとゲオルグは自分がする予定だった行動を伝えた。
ルッツは頷くと部下たちのほうを振り返り、顎でしゃくって進むように指示を出す。

「では、1時間後に一度連絡を入れます」

「頼む。くれぐれも気を付けてくれ」

ゲオルグはそういうと、前進するルッツの部下たちの背中をじっと見つめた。
そして、ルッツの肩に手を置く。

「お前達が俺の切り札だからな。 失うわけにはいかないんだ」

ルッツはゲオルグの真剣な表情を見て、微笑をうかべる。

「わかってますよ。 こんな任務で負傷者を出すようなヤワな鍛え方はしてませんから
 安心してください」

ルッツはそう言って部下たちのあとを追っていった。




「あれ? ゲオルグさんどうしたんですか?」

ゲオルグが意気込んで飛び込んでいったマンホールから、
たったの10分ほどでゲオルグが戻ってきたのを見て、シンクレアは目を見開いて
ゲオルグの顔を見た。

「ちょっと、な」

マンホールから地上に上がると、シンクレアの耳元に口を寄せた。

「シャドウの連中にまかせてきた」

「あらま、さすがルッツ2尉は動きが早いですねぇ」

ゲオルグの言葉を聞いたシンクレアは苦笑を浮かべて応じた。
そして2人はティアナたちのいる指揮所に向かって歩き出す。

「ゲオルグさん? なんで戻ってきたんですか?」

「お、暗いのが怖くて帰ってきちゃったのか?」

シンクレア以上に驚いた表情のティアナとニヤニヤと笑うクリスティアンに出迎えられた
ゲオルグは仏頂面を浮かべて作戦図が乗っている机のそばに立った。

「情報収集の担当者に任せてきた」

何度も説明するのが面倒と感じたゲオルグが、低い声でそう言うと
ルッツ以下のシャドウ分隊に任せてきたのだと察したティアナは小さくうなずいた。

「1時間後には連中から連絡があるからそれまでは待機だな」

ゲオルグがそういうと、クリスティアンは肩をすくめて苦笑を浮かべると
自分の部下たちのほうへと歩いて行った。
一方、ティアナは周りの人間の動きを伺いながら、ゲオルグのほうに寄ってきた。

「シャドウ分隊、ですか?」

ティアナが小声で発した問いに、ゲオルグは無言で頷く。

「それにしても、よくルッツ2尉に譲る気になりましたね。
 あれだけ意気込んで出かけて行ったのに」

「そうですよね。自分で行きたくてしょうがないって感じだったのに」

シンクレアとティアナがゲオルグを茶化すような言葉を口々に言う。
それを聞いていたゲオルグは苦笑を浮かべた。

「そうなんだけどな。 ルッツに諭されると弱いよ、や
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