第15話:新体制の幕開けー3
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翌日。
普段通りに自宅を出たゲオルグは、いつも通りの時間に隊舎へ到着し自室での執務についていた。
この日は会議の予定も外出の予定もなく、淡々と事務仕事をこなしていたゲオルグの部屋に
来客が訪れたのは朝の10時ごろのことである。
「おはようございます、ゲオルグさん」
扉の向こうから現れたのは、黒い執務官の制服に身を包んだティアナだった。
ティアナはゲオルグのデスクのすぐ前まで歩いてくると、姿勢を正して敬礼する。
「なんだ?」
椅子に座ったまま手を挙げて答礼しつつ尋ねたゲオルグの前に、報告書が置かれた。
「昨日の戦闘訓練報告書です。 確認をお願いします」
「わかった。 今読むからちょっと待ってろ」
ゲオルグはデスクの上の報告書をつまみ上げると、表紙をめくって読み始めた。
ティアナは、両手を後ろで組んで立ったまま、ゲオルグが報告書に目を通すのを
じっと待っていたが、ふと目を上げたゲオルグがそれに気づいた。
「なに突っ立てるんだよ。適当に座っていいぞ」
「あ、はい」
ゲオルグの言葉に対して、ティアナはぐるっとその場で一周回りながらきょろきょろと
辺りを見回し、近くにある椅子を見つけるとその背に手をかけて引き寄せ、腰を下ろした。
椅子の上から彼女はゲオルグのデスクの上に視線を向ける。
ゲオルグのデスクはあまり整頓されているとはいえない。
ゲオルグから見て正面に3つの写真立て、左右には書類の山、それらに囲まれたわずかな空間に
端末が置かれていた。
ティアナは膝の上で組んだ指をせわしなく動かしながら、ゲオルグのデスクをぼんやりと
見つめていた。
「なあ、ティアナ」
「はい?」
ゲオルグから急に声を掛けられ、ティアナは驚いたのか甲高い声を上げてゲオルグの顔を見た。
一方ゲオルグは、ティアナのあげた声を聞いて訝しげにティアナの顔を見た。
「どうした?」
「あ、いえ。 なんでもないんです。 ちょっと緊張というか、それだけです」
「緊張? なんでまた?」
ゲオルグは手元の書類を一枚めくりながら、目をしばたたかせた。
彼に見据えられ、ティアナは自身の膝の上で組まれた自分の手に目線を落とした・・・
「・・・そりゃ、好きな人の目の前にいれば、緊張もしますって」
彼女は顔を上げ、ゲオルグに向かって小さくそう言った。
「はあ? 何の冗談だ?」
ゲオルグは彼女の言葉を聞くと、呆れたような表情を浮かべて答える。
「冗談なんかで、こんなこと言いません」
彼女はキッとゲオルグを見据えてそう言うと、椅子から立ち上がった。
そして、ゲオルグのデスクを回り込んで、ゲオルグに向かってツカツカと歩いていく。
目を丸
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