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召喚されし帝国
陰謀の渦
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ルロットはバイエルライン大佐にそう聞き、それを聞いたバイエルライン大佐少し複雑そうな表情でそう呟くと。

「我が国は…素晴らしい国です、美しい自然に文化、そして高い工業力を持つ…素晴らしい国です」

「そうなんですか…いつか行ってみたいです…ドイツに」

「ふっ、ぜひいらっしゃってください姫様」

バイエルラインは少し笑いそうシャルロットに言った。


バイエルラインとノイラートがオルレアン公の家族と彼の取り巻きである貴族達と接している頃、その姿をアドラーとクラウスの二人のSS将校はじっと見ていた。

すると

「随分と我が弟と短期間で仲良くなっておるな、貴国の大使は」

「これは、ジョゼフ皇太子。このたびは我がドイツとガリア両国の架け橋となり、国交樹立に尽力していただきありがとうございます」

「何、別に礼を言われる事ではない…しかし流石は我が弟だ、持ち前の誠実さと優しさでもう貴国の大使達と仲を築いておるな…それに周りいる貴族達も、すっかり貴国を向かい入れている様だ」

ジョゼフは何処か皮肉めいた口ぶりで、オルレアン公とその周りにたむろし、ノイラート達ドイツの大使と世間話に興じている貴族達を見ていた。

すると

「口では何とでも言えます、しかし本心ではどう思っているか…」

「ほう、悲観的だな大佐殿?」

「我が国は別世界から来た国家、更に魔法文明を持たずに発展して来たこの世界から見たら異質な国家です。表面上は美辞麗句を言いながらも本音はどう思っているか…」

元々ゲシュタポにいたクラウスは人の本音を洞察する能力に長けている為、ノイラートやオルレアン公に対し美辞麗句を言う貴族達の本音を洞察し、そして軽蔑した様子で彼らを見つめながらそう呟いた。

すると

「ふっ、確かにな…誠に愚かな事だ…奴ら貴族は魔法こそ全てと考えて思考が硬直し、対極と事実が見えなくなる傾向がある‥そんな奴らがハルケギニアに存在する全ての国の国政を担うなど、嘆かわしい事だ…」

ガリア王国と言うハルケギニア一の魔法国家の王子とは思えぬ、そんな発言をジョゼフは呟いた。


それから数時間後

舞踏会もお開きになり、各国の大使や貴族達は続々とヴェルサルテイル宮殿からさって行った。

「それではノイラート男爵、我々はこれで」

「ノイラート男爵、貴国の指導者であるヒトラー総統にご伝言を。いつかは、我がトリステインにもぜひ越し下さいと」

「えぇ、伝えておきますモット伯爵」

ガリア王国の大貴族であるヴェルテュ侯爵と、トリステインの有力貴族であり現在ガリア大使を務めているジュール・ド・モット伯爵は馬車に乗る間際にノイラートにそう言い馬車に乗り込んだ。

「では、我々も大使館へ帰るとしよう」

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