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オズの木挽きの馬
第三幕その四

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 一行はそのまま進んでいきました、恵梨香の言う通りに。そうしてお家の扉を開けるその時にもでした。
 恵梨香は皆に言いました。
「若しかしたら」
「扉にもあるの?」
 今度はガラスの猫が尋ねました。
「まさかと思うけれど」
「ええ、若しかしたらね」
「扉でもなの」
「だから迂闊に開けないことよ」
「それが必要なのね」
「だからね」
 それでというのです。
「気をつけて開けましょう」
「それならね」
 ここでグリンダが言ってきました。
「一ついい方法があるわ」
「魔法ですか」
「罠をチェックして解除する魔法があるから」
 それでというのです。
「その魔法を使ってね」
「そうしてですね」
「進んでいけばいいわね」
「そうですね、それなら」
「ええ、扉を見ましょう」
「そして先もですね」
「罠をチェックしながら」
 そうしながらというのです。
「先に進んで行きましょう」
「慎重にですね」
「そうしていきましょう」
「わかりました」
「ではね」
 ここで、でした。
 グリンダは扉に魔法をかけました、すると。
「罠はないわね」
「そうですか」
「ええ、別にね」
「そうなんですね」
「それでお庭もね」
 恵梨香が警戒したそちらにもというのです。
「何もなかったわ」
「そうですか」
「罠はないわ」
「じゃあそのままですか」
「進めばいいかしら」
「そうなんですね、ただ」
 ここで恵梨香はこうも言いました。
「気になることがあります」
「忍者だからなのね」
「仕掛けがあるかも知れないです」
「一見すると普通の日本のお家の扉だけれど」
 木挽きの馬はその扉を見て言いました。
「ここにだね」
「何かね」
「からくりがだね」
「あってもね」
「おかしくないんだ」
「罠はなくても」
 それでもというのです。
「あるかも知れないわ」
「では一体どんなからくりがあるか」
「確かめてみましょう」
 こう言ってでした。
 そのうえで扉に手をかけると開きません、ですが。
 恵梨香はそれならと右の扉を右から左でなくでした。
 左の扉を左から右に開きました、すると扉はそちらから開きました。恵梨香はその扉を開いてからそれで言いました。
「こういうことね」
「日本のお家って普通は右から左だけれど」
「左から右になってるね」
「もうそこでからくりがあるのね」
「扉から」
「そうしたからくりで」
 それでというのです。
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