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提督はBarにいる。
雀蜂は鎮守府を殺す毒針足り得るか?-side B-
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剛は右手を差し出してきた。

『えぇ、よろしく』

『よろしくな!』

 私とサウスダコタは握手に応じ、漂っていた重たい空気も霧散したように感じる。

『さてと、2人はどこを見て回りたいのかしら?』

『そうね……何処なら見て回っていいのかしら?』

 アイオワから向けられた質問を、そのまま金剛にスルーパス。この質問への返答で、この鎮守府の私達への警戒度を推し量る。警戒が強ければ強いほど、見せる場所は限られてくるハズだ。

『全部見て回って構いませんよ?』

『…………えっ?』

 金剛の予想外の解答に、一瞬本気で呆けてしまった。

『何か問題でも?』

『え、いや、私達は同じ鎮守府で戦う仲間になるとはいえ一応所属は他国の海軍なのよ?それなのに全てを見ていいなんて……』

『ですから、用途の解らない部屋などあったら不都合でしょう?』 

『ホーネット、ここはそういう所なのよ。他国に見せても恥じる所は一切ない……だからこそ、どんな艦娘でも受け入れるの』

『サラ……』

 サラトガにそう言われ、鎮守府の評価を上方修正する。ここは警戒すべき場所だーー是非とも情報を集め、本国に送らなくては。

『さて、気を取り直して……まずは何処を見学したいですか?』

 改めて金剛に問われて考え込む。重要な情報が転がっていそうであり、艦娘が日常的に出入りしてもおかしくない場所……よし。

『工廠を見学させて欲しいわ』

 そう言った瞬間、案内役の3人の顔がひきつった。

『こ、工廠ですか?今はまだやめておいた方が……』

『そ、そうよホーネット。後回しにしましょ?ね?』

『そうですね、出来るだけ人気のない時間の方が……』

 この狼狽え方。何か隠している事がありそうね?

『艦娘となったからには艤装整備は重要な事でしょ?なら、そこに関わる施設は最優先でチェックしたいわ』

『だな!工廠に行こうぜ!』

 サウスダコタも乗り気だし、これは断れないだろう。

『はぁ……解りました、案内します』

 これで重要な情報を手に入れられるかもしれないわ!……けれど、どうしてアイオワやサラトガまで止めようとしたのかしら?
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