暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
雀蜂は鎮守府を殺す毒針足り得るか?-side B-
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
、奴は身内には甘いと聞く。入る際のチェックは厳しいだろうが、入ってしまえば後は簡単なハズだ」

「潜入任務への支援は?」

「無いものと考えてもらいたい。新大統領からも釘を刺されているのだ、これ以上奴との関係悪化は避けるようにとな」

「奴の後ろ楯には日本海軍の退役軍人会、ならびにブルネイ王家が付いているとの噂すらある。流石に今日本の軍部との関係が拗れる訳にはいかん」

 2人の上司の話を聞く内に、目眩どころか頭痛がしてきた。一介の軍人に王家との繋がり?そんな訳が無いだろう、どうかしている。けれど、日本との関係悪化は不味い。

「……了解、しました」

「では、新しい身分は此方で準備する。君は艦娘への改造手術を受けた後、基礎訓練を経てブルネイへと出向。情報を収集して本国へと報告せよ。通信方法は追って伝える」

 そうして私は艦娘となり、基礎的な訓練を受けてブルネイへと渡った。




 そして今、目の前に調査対象であり各国の注目をさらう男・レイジ=カネシロがいる。事もあろうに私達の着任の挨拶に遅れた上に寝起きだからとコーヒーを啜りながら煙草をふかし、
挙げ句の果てには先に鎮守府の見学をしてこいという。何とも失礼な男だと思う。が、私の目的は鎮守府の情報を手に入れる事。その観点から見ればこれはありがたい。

※ここから『』は英語、「」は日本語だと思ってお楽しみ下さい。

『なんなんだアイツは!失礼な奴だ、あれで本当にこの鎮守府の司令官なのか!?』

 実際、私の隣では蔑ろにされたサウスダコタが憤慨している。元は海兵隊員らしいが、志願して艦娘への改造手術を受けたと聞いている。

『まぁ、提督は明け方まで仕事をして今まで寝ていて本当に寝起きなんですよ』

 苦笑いを浮かべながらそう答えたのは、この鎮守府のエースであり提督の妻でもある金剛という艦娘だ。しかもその口から聞こえてきたのは日本語ではなく聞き慣れた英語……しかも、流暢なQueen's English。

『貴女……随分と英語がお上手ね?』

『ありがとう。改めまして、私は金剛。この鎮守府の艦娘達の纏め役であり、提督の妻です』

 英語が上手いのは金剛という戦艦が元々はイギリスのヴィッカース社で建造されたからで、艦娘を形作る物に染み付いているのだろうと彼女は笑って話した。

『英語が流暢なせいか、建造されて30年近く経つのに日本語が片言混じりなんですがね』

 と、苦笑いを浮かべる彼女。今のカネシロ提督が着任して30年近く……という事は目の前にいる彼女は提督の傍らでずっと戦い続けてきた古強者だ。自然とその纏う空気が重たい物に感じられ始めた。

『まぁ、今日から私達は仲間ですから。気負わず仲良くしましょう?』

 そう言って金
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ