第二話 取り敢えず、現状確認
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とはいえ、現在は姿を現すことがほとんどないので名前を記入するようなこともないのだが……。
(二人とも、俺が眠ってる間にこの世界で姿を現したことはあるか?)
(いえ、ありません)
(私も、ない)
(それなら問題ない。この世界には十字教って宗教があるんだが、自分たちの神を冒涜する存在は一切許さないってやつらだから、特に魔族であるシェーラはなるべく姿を現さないようにしたほうがいい。アリスも念のために姿は現さないようにしてくれ)
偏見かもしれないが、俺はこの世界の十字教に良いイメージなど持ってはいない。神のご加護を打ち消せる力を持っているというだけで、主人公を殺そうとする集団なのだ。
(分かりました)
(うん、分かった)
シェーラもアリスも人の姿を取ることはできる。しかし、二人の存在がこの世界でどのように扱われるかは不明だ。
(それではシェーラ、この世界の魔族や魔法に関しての状況を調べておいてくれるか?)
(かしこまりました。それで、一つ報告が)
(なんだ?)
(恐らくこの街に強靭な精神を持つ者が居ます。間違いなく人間ですが、アストラルサイドにこれだけの影響を及ぼす人間は初めてです)
(そうか、この世界にはアストラルサイドに干渉できる人間が居るかもしれないから気をつけるように)
(はっ!)
アストラルサイドというのは精神世界だ。人間や動物の体は物質世界に存在しているのだが、精神はアストラルサイドに存在していて、アストラルサイドに干渉することで精神的ダメージを与えることが出来る。魔族という精神生命体であるシェーラや情報統合思念体の一部であるアリスは、このアストラルサイドに存在している。
スレイヤーズの世界ではアストラルサイドに対しての攻撃が出来る人間も居たが、それ以外の世界ではアストラルサイドに直接攻撃できる方法を持つ人間は存在しなかったので、シェーラの存在は大きなアドバンテージだった。しかし、この世界には精神系の能力者もそれなりに居るのだ。そういった精神系能力者はアストラルサイドに何らかの干渉をすることが出来る可能性もあると思ったほうがいいだろう。もしかしたら、シェーラの存在を認識できる能力者が居るかもしれない。
(あ、そうだ。ついでに、俺の精神に干渉してくる輩が居たら防いでもらいたい)
(はい)
忘れるところだったが、精神系能力者は他人の精神に干渉できる場合が多い。精神の干渉がアストラルサイドから行われるとすれば、シェーラなら防ぐことが出来るはずである。
(あまりにもしつこいようなら、『お食事』してもいいぞ)
(分かりました)
この『お食事』というのは、魔族にとっての食事という意味である。魔族というのは人間の負の感情を糧と
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