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イヌカレたのはホノオのネッコ
第弐話「環の気持ち」
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てくれて……悪いやつじゃないんです!ただ、真面目過ぎてちょっとほっとけないというか、不幸過ぎて見てられないというか……」
「ほうほう」
「な〜るほど……」

先程のド変態野郎発言は何だったのか。凄まじい勢いでハクジへの誤解を解こうとするタマキに、2人は心の中で突っ込んだ。

「とにかく!興梠はそんなクソ野郎じゃないんです!!誤解しないでください!!」
「あ〜……うん。なんか、ごめんね……」
「すみません……私も口が過ぎました」
「分かってくれればいいんです。それじゃあ、私はお先に」

そう言ってタマキは、シャワールームを出ていった。

「さすがに意地悪すぎたかな……?」
「かもしれませんね〜……。でも、あの反応は……」
「ん〜、どうだろ?後でもっかいカマかけてみようかな」
「今度は穏便に、ですよ?今みたいな意地悪なのはナシです」
「分かってるよ〜」

タマキが出ていったドアを見ながら、2人はやれやれと肩を竦めた。



「にゃあああああああッ!?」
「わああああああああッ!?ごめんなさぁぁぁぁぁい!!」

その後、廊下で風呂上がりのタマキとランニングから戻って来たハクジがぶつかった悲鳴が轟いたのは、タマキが更衣室を出て5分と経たない頃だったという。

?

「それで、結局のところさ。環ちゃんの好きな人って、誰なの?」
「ふぇっ!?」

昼休み。食堂で突然振られた話題に、タマキは思わずテンパった。

「狛司くんではないんでしょ?」
「興梠はあくまで同僚です。そういう目で見たことはないですよ」
「ってことはさ、他に居たりするわけ?」
「そっ、それは……そのぅ……」

分かりやすくモジモジするタマキ。
シオンは思わずニヤニヤしながら、頬杖を着く。

「その人、第一の誰か?」
「ま、まあ……」
「同僚?それとも先輩?」
「いえ、その……」
「分かった!中隊長達だ!」
「ッ!?」

図星を突かれたようで、タマキは思わず肩を跳ねさせる。

「タマキさん、顔に出やすいですからね。わかりやすいですよ〜」
「そっ、そんなに顔に出てるかな……?」
「出てる出てる〜!で、誰なの?タマキのハートを射止めた中隊長は!」

興味津々、といった様子でずずいっと間を詰めてくるシオン。
タマキは思わず身を引きながら、両手の人差し指を突き合わせる。

「やっぱりフォイェン中隊長とか?中隊長の中で一番優しいし!」
「いやいや、カリム中隊長かもしれませんよ?一見怖そうに見えますけど、厳しい人ほど本当は良い人って言いますし〜。口が悪いように聞こえますが、言ってることは特に悪くないですから〜」
「え、えっと……」

隣には押しの強いシオン。目の前には切れ味鋭いヒータ。
この2
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