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おっちょこちょいのかよちゃん
81 運動会に向けて
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時40分頃だった。二度寝すると遅刻すると思ったので、その時点で顔を洗い、着替えた。
「お母さん、おはよう」
 丁度母も起きた所だった。
「あら、先に起きたのね。凄いわ」
 かよ子はその後、母の朝食の準備の手伝いを行った。そして6時40分を過ぎた頃に家を出て7時過ぎには既に学校に到着した。
「あ、たまちゃん、おはよう」
「おはよう、かよちゃん」
 たまえも既に来ていた。それだけではない。殆どのクラスメイトも「眠い」とは言いながらもちゃんと来ていたのだ。約1名を除いては。体操着に着替えてからかよ子は気づいた。
「あれ、まるちゃんは?」
「まだ来てないみたいだね」
 この大事な早朝練習でさえも遅刻かと自分以上のおっちょこちょいに少し呆れるかよ子であった。
「よっ、山田あ!」
 かよ子は杉山と出会った。
「あ、杉山君・・・!!」
「流石に寝坊はしなかったか」
「うん、気にしてたのかいつもより早く起きちゃったんだ・・・」
「そうか、練習頑張ろうな!」
「うん!あ、そうだ、杉山君・・・」
「ん?」
「夏休みに東京に来た安藤りえちゃんって覚えてる?」
「あ、ああ・・・、あいつか・・・」
 杉山は少し顔を赤くした。
(杉山君、りえちゃんが・・・)
 かよ子は微かな焦燥感を覚えた。 
「で、りえがどうかしたのか?」
「この前の高校の文化祭の事で手紙出したら、昨日返事が来たんだ。りえちゃんの住んでる東京でも会社のビルが爆破される事件が起きてるんだって」
「まじかよ!?あいつも大丈夫かな?」
「うん、でも、りえちゃん、ピアノコンクールで優勝したって。それで関東のコンクールの出場の資格貰ったんだ」
「そうか、あいつのピアノ、最高だもんな」
「うん」
「よーし、皆、集合だ!!」
 その時、校庭にて大野が呼ぶ。そして隊長・大野、副隊長・杉山を前に皆集合した。
「全員集まったか?」
「あれ、さくらさんは?」
「まるちゃんがいない!」
「何!?あいつ・・・」
 大野と杉山は寝坊癖のズボラな女子に怒りを覚えた。
「まあ、いいや、皆、校庭一周してそれから準備体操だ!」
 皆はランニングして準備体操を始めた。準備体操を終わった頃、まる子がようやく現れた。大野と杉山はもちろん怒る。
「さくら、遅いぞ!皆ちゃんと来てるのに遅刻したのはお前だけだ!!」
「罰として校庭三周走れ!」
 まる子は走らされた。
「その他の者は競技と踊りの練習だ」
「さっさと移動しろ」
 初日は男子は騎馬戦、女子は借り物競争の練習を行った。かよ子も転んだり、ゴールの方角を間違えるなどのおっちょこちょいをしないように気を付けながら練習に励んだ。練習の中、かよ子はちらっと男子の騎馬戦の練習を盗み見る。大野と杉山の指揮で男子達は連携力を高めていた
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