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おっちょこちょいのかよちゃん
72 武装の能力(ちから)
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口君は誰にも迷惑懸けてない!!だから、やめて・・・!!」
「徳林さん・・・」
「そうだ、これ以上ミカワをやるんだったら俺達も動くし、最悪、警察呼ぶぞ!」
「う・・・」
「響君」
 隣の家のおばさんは響による。
「私も四、五年健ちゃん預かってるけど、今まで無意味に人を傷つける事はなかったんよ。それにもしそうじゃなきゃ、こんなに友達が出来てないはずよ」
「ち・・・、わかったよ」
 響はこれ以上暴力を振るうのを止めることにした。
「折角来たんだし、響君も文化祭楽しんだら?」
「ああ、わかったよ」
 騒動は何とか収まった。

 その後、響は叔母・叔父と共に回るようになり、弟からなるべく離すようにした。三河口はかよ子達と共に回ることになった。
「なあ、あんた」
 杉山が三河口に質問する。
「あの時、あんたの兄ちゃんがやられた時、どうして『能力』を使わなかったんだ?」
「ああ、それはだな、正確には『使わなかった』と言うよりは、『使えなかった』と行った方が正しいかな」
「『使えなかった』だって?」
「お兄ちゃんにも能力が使えない時ってあるの・・・!?」
 かよ子は意外に思った。確かにこの男子高校生は丸岡を自身の能力で遠くに吹き飛ばし、夏休みには東京の地でその能力を使用してアドルフとかいう異世界の人間と日高敏彦という日本赤軍の人間を成敗させている。武装、見聞、威圧の能力(ちから)全てを宿す三河口ならばそれも不可能ではないはずなのだが、なぜできなかったのだろうか?
「ああ、清水(ここ)に来て能力(ちから)を無闇に使わないように抑えた結果、何ていうのかな、一般人には効かなくなったようなんだ。もしかしたらこれも君が持っていた杖とか叔母さんが持っていた護符の影響なのかもしれないな」
「う、うん・・・」
「それにさっきの兄貴が抑えつけられたあの様は俺の能力によるものではない」
「え?って事は・・・」
「濃藤も北勢田も何もしてないだろ?」
「あ、ああ」
「となると、奏子ちゃんがやったんじゃないのかい?」
「え?私・・・?」
 奏子はその時を振り返った。確かにあの時は三河口を守りたいという一心だった。だが、あんな念力のようにあの男をやっつけるなんて・・・。
「もしかしたらお姉さんにも不思議な能力(ちから)を持ってるのかもね・・・」
「ああ、武装の能力(ちから)を持ってるかもしれねえな」
 大野は推測した。
「ブソーノチカラ?それって何?」
「相手に触らずとも相手を攻撃したり、防御したりする能力(ちから)だよ」
 かよ子は説明した。
「私が・・・」
 奏子は自分がまさかそんな能力(ちから)があるとは信じられなかった。
「俺も同じ能力(ちから)を持っているから家族から嫌われて清水(ここ)に来たんだよ」
「そうだった
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