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新オズのオジョ
第一幕その六
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「宮殿まで行くわよ」
「もう一飛びなんだ」
「ええ、それこそ一瞬でね」
 それだけでというのです。
「宮殿まで行けるわよ」
「そうなんだね」
「ちなみにあたし今朝早く起きたって言ったわね」
「鶏らしくだね」
「あたしは雌鶏だから鳴かないけれど」
 朝日と一緒に鳴くのは雄鶏です、従って雌鶏であるビリーナは鳴かないのです。ですがそれでもというのです。
「朝は旦那と一緒に起きるからね」
「それでだね」
「朝早く起きて」
 まさに日の出の瞬間にです。
「それで朝ご飯を食べてね」
「ここまで来たんだね」
「ドラゴンの準備をしてもらってね」
「そういうことだね」
「そうよ、けれどね」
 ビリーナはそのドラゴンを見ます、見ればしっかりした四本の足と長い尻尾に首、そして大きな蝙蝠のそれに似た翼を持つ大きなホワイトドラゴンです。
「あんたのお国のドラゴンじゃないわね」
「ああ、中国のだね」
「中国のドラゴンは細長いからね」
「龍はそうだね」
「そうよね、蛇みたいな身体で翼もなくて」
 それでというのです。
「そうした身体ね」
「青龍がそうだね」
「マンチキンにいるあの龍ね」
「四霊獣の一つでね、エメラルドの都には麒麟がいるけれど」
「東のマンチキンには青龍がいるわね」
「そうだよ、中国のドラゴンはその龍で」
 それでというのです。
「外見はかなり違うよ」
「そうよね」
「けれどオズの国には龍も沢山いるんだよね」
「そうよ、その龍にも出会えたらいいわね」
「じゃあまた会いましょう」
 ドロシーはビリーナとのお話が一段落した神宝達に微笑んで言いました。
「冒険が終わったらね」
「その時にですね」
「ええ、またね」
「会いましょう」
「その時を楽しみにしているわ」
「よい冒険の旅を」
 ドロシーに続いてトトとおじさん、おばさんも言ってきました。こうしてです。
 神宝達はビリーナが乗っておじさん達のお家まで来たドラゴンの背中にビリーナと一緒に乗ってでした。そうして。
 ビリーナと一緒にオズマの宮殿に向かいました、するとです。
 まさにビリーナが言った通り一瞬で宮殿のバルコニーの前に来ました、すると五人はドラゴンの背中で驚いて言いました。
「本当に一瞬だったね」
「そうだね」
「ビリーナの言った通りだったよ」
「ヘンリーさんとエマさんのお家からこの宮殿まで少し距離があるけれど」
「その距離も一瞬で飛んできたわね」
「あたしの言った通りでしょ、ドラゴンが飛ぶ速さも凄いから」
 それでとです、ビリーナは驚いている五人に答えました。
「だからね」
「一瞬でだね」
「宮殿まで着いたんだ」
「それじゃあ今からだよね」
「オズマ姫とお会いして」
「冒険の旅をはじめるのね」

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