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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
疾走編
第三十四話 居場所
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している。信頼しているからこそ、この任務を受けたのさ」
「それは分からないでもないですが、なぜ私などがコネとして活用できると思われているのでしょう?私、マイク、それにオットーは軍の主流から外れていますが…」
「外れているからさ。外れ者同士が仲良くしているだけだから、誰にも迷惑はかけない。が、お前さん達今は外れ者でも将来は分からんからな」
「将来?使い捨てにされて終わりの様な気がしますけどね」
「ハハ、やたらひねくれた物の見方をするようになったじゃないか。フェザーンで何かあったのか?」
そう言うと、キャゼルヌさんは俺のグラスにバーボンの二杯目を注ぎだした。

 このまま此処に居ると酔い潰れてしまいそうだ。
別にひねくれた考えでもないと思うんだけどな。軍主流ではない俺達は捨て駒にしやすい高級士官なんだよな…。表向きは優秀、そこそこ功績も上げている前途有望な若手士官。そしてその位置は将来の軍トップに近い。でも上層部としてはぽっと出の俺達より本来主流を歩むであろう、自分達と同じ考え方をする人間達にこそトップに立って欲しい筈なのだ。となると、大多数の高級軍人からは我々は消えて欲しい存在の筈なのだ。キャゼルヌさんは上昇志向の強い人じゃないから分からないのかも知れない。もちろんいい意味でだけど…。分からないからこそヤンさんとも馬が合うのだろう。
「言い方は悪いですが、今回の任務はシトレ閣下が自らの立場を強化する為の様な物ですからね。そうであるからこそ、閣下の子飼いではない私に任務を振ったのだと思いますよ。まあ、子飼いにする為かも知れませんが」
「閣下はそう腹黒い方ではないぞ」
「腹黒いかどうかは別にして、立場の強化は必要ではありませんか?特に今回の任務の成功によって閣下の立場は軍内部で更に強化される。そして公式発表はサイオキシン麻薬の取締りです。軍への信頼度は増し、それを指揮したシトレ提督の手腕は軍以外からも高く評価される。そうではありませんか?」
あまりキャゼルヌさんの苦い顔は見たくないんだけどな…こういう話になってしまった以上仕方がない。どうせなら腹を割って話しておかないと…。

 キャゼルヌさんは深くため息をついた。
「本当にお前さんは物事がよく見えるな、ヤンにも見習って欲しいもんだ。そう、お前さんの言う通りだよ。ついでに言うと、閣下はお前さんを欲しがっている。子飼いにしたいという事だな。どうだ、ウチに来んか」
キャゼルヌさんの側にいるのは楽しそうだけど、宇宙艦隊司令部?ストレスで過労死しそうだ。何個艦隊あると思ってるんだ?とてもじゃないが、願い下げだ。
「宇宙艦隊司令部にですか??」
「第八艦隊司令部でもいいぞ。八艦隊はシトレ閣下が直卒するからな」
「ハハ、私はEFSFの方が性に合ってますよ」
「EFSFといえば、お前さんが
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