暁 〜小説投稿サイト〜
おぢばにおかえり
第六十話 朝早くからその二十三

[8]前話 [2]次話
「それからね」
「行きますか」
「ええ、ちゃんと外出することは言わないと」
 そうしないとです。
「よくないからね」
「だからですね」
「そう、そのことは伝えて」
 そうしてです。
「それから外出するわ」
「しっかりしていますね」
「ちゃんと言っておかないと」
 女の子だから余計にです。
「そう思ってよ」
「当然のことですか」
「私はそう考えてるわ、じゃあ」
 阿波野君にこう言ってからです。私はお母さんのところに行って阿波野君と外出することを伝えました。
 それから出ようとするとお母さんは玄関で私達ににこりと笑って言ってきました。
「千里が何かと教えてあげるのよ」
「あの、阿波野君この町のこと知ってるけれど」
 私はお母さんにどうかというお顔で言葉を返しました。
「それでもなの」
「そうよ、町のこと以外にもね」
「町のこと以外って」
「千里が先輩だし女の子だし」
「女の子だから?」
「おみちの土台でしょ」
 女の人はというのです。
「だからよ」
「それでなの」
「そう、色々とね」
 何かと、というのです。
「教えてあげてね。その子なら間違いもないし」
「何かですね」
 阿波野君もお母さんに言いました。
「僕実は女の子や女の人に近寄ることが苦手で」
「そうみたいね、阿波野君は」
「ですから」
 それでというのです。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ