はたらくサーヴァント
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を装備した真司は、上司の女性へ頭を下げる。
「よし。意気込みはいいな」
彼女は満足そうに頷いて、そのまま色々真司に教え込んでいく。ポテト、ハンバーガー、ドリンク、持ち帰り。
そして接客。
「いらっしゃいませ!」
この挨拶にも慣れてきたとき、彼はやってきた。
「……何してるの?」
真司の前に現れた、ギリギリ未成年の少年。革ジャンの彼は、ジト目で真司を見つめていた。
この世界における、真司の数少ない知り合い、松菜ハルト。
「あ……」
そのあまりの出現に、真司は口をあんぐりと開ける。
「よ、よお。……マスター」
「いや、マスターじゃなくて名前でいいって言ったでしょ。あ、ハンバーガーセット三つ持ち帰り」
「オッケー。千五百円な」
「ほい」
真司の手に、記憶にはなかった新しい千円札が渡される。
「いや、俺たち普通に生活する方針になったじゃん。だったら、やっぱ生活費とか不安になるからさ。こうして働いているんだよ」
「ファンタジー設定なサーヴァントになんて現実的な話を持ち込んでいるんだか」
「決めたの俺じゃねえし。あ、お待ちどう」
「ありがとう。あ、それじゃあどこに住んでんの?」
「西見滝原のオンボロアパート」
「それじゃ分からないよ」
「ああ……あ、俺の連絡先……」
「ああ。知ってるけど……真司さん、携帯まだ買えてないの?」
ハルトは、真司の携帯電話を見ながら呟く。
「俺が旅してた時も、スマホは持ってたよ?」
ハルトが、そう言いながらスマホを取り出す。
「何で皆そんなの持ってるんだよ……この前お店行ってみたら滅茶滅茶高かったぞ」
「まあ、親の遺産でそこは何とかなったんだよな」
「遺産……?」
真司は顔をしかめた。
だが、ハルトは何てことなく話題をすり替える。
「でも、真司さんがここにいるのなら、あの子はどこにいるの? ほら、可奈美ちゃんのサーヴァント」
「ああ、友奈ちゃんのこと? さすがに中学生にバイトはさせられないからな。お金を渡しておいたけど」
「あはは……可奈美ちゃんは年サバ読みしてるなんて言えない……」
「何か言ったか?」
ビニールにセットを入れていて、彼の言葉を聞き逃した。
そのまま受け取ったハルトは、礼を言った。
「いや、何も。あ、どうも」
「ああ。でも友奈ちゃん、今どこで何してんだろ? ちょっと心配だな」
「心配?」
「ああ」
真司は強く頷く。
「ああいう年って、結構危ういところがあるからさ。ほら、俺たちサーヴァントとして召喚されたけど、アイツは結局まだ中学生だろ? 少し不安定なところあると思うんだよ」
「なるほど。でもそれ、俺より可奈美ちゃんの方がよくない?
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