暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅き死神〜
アイングラッド編
紅き剣閃編
The Traitor―???
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たが、大太刀モードの時はレイが防御に徹するため、俺は段々と敵の攻撃を気にすることなく上位剣技を連続発動していた。

背に聞こえるボスの鎌が風を切る音は例外なく弾かれ、決して攻撃が通ることはない。

今までになく強いモンスターなのにも関わらず、ロイドは今までにない安心感を感じていた。







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side キリト


無限とも思える激闘の果てに、ボスが四散しても、誰1人歓声をあげるものはいなかった。

クラインに何人やられたかを聞かれたので、マップを開いて確認すると、犠牲者は14人――


「……うそだろ……」


それを聞いたエギルの声にもいつもの張がない。

ふと、フロアの中央を見たとき、倒れ込むプレイヤー達を暖かい、慈しむような視線で見つめるヒースクリフが目に入った。

――刹那、俺の全身を恐ろしいほどの戦慄が貫いた。

疑念はやがて、確信へと変わっていく。

あのレイが一時、激しくこの男を憎んでいたその訳――

俺は傍らに腰を落としているアスナをちらりと見やった。同時にアスナも顔をあげ、2人の視線が交錯する。


「キリト君……?」


アスナが口だけを動かした時はすでに俺はヒースクリフに斬りかかっていた。

やつは流石の反応速度でとっさに盾を持ち上げたが、間に合わず、胸に当たった剣先が紫のライトエフェクトが炸裂した。

不死存在。それがやつの正体だった。

回りのプレイヤーもその表示を見て黙り込んでいる。中にはコイツの正体に勘ずいて目に憎しみの炎を抱く者もいる。


「これが伝説の正体だ。一度もHPがイエローになったことがない訳は、コイツがシステムに保護されているから……《他人のやっているRPGを端から眺めるほどつまらないことはない》。そうだろう、茅場晶彦」


ヒースクリフは黙っている。

全員が息を飲んでヒースクリフが何か言うのを待っている。



「……そうか、あのデュエルで君の動きに圧倒され、オーバーアシストまで使ったのは痛恨事だった…。ふふ、それにしても流石だねレイ君、君の予想は良く当たる」


「バカ野郎。テメエがアホ過ぎんだ。この脳ミソ石詰めやろう。95層で裏切る計画が台無しじゃないか」


レイがまるで、ヒースクリフが茅場晶彦だと知っていたかのような口調で答える。

その声色はとても穏やかだった。


「……どういうことだ、レイ」


混乱した俺は、震える声でレイに尋ねる。


「100層宮殿《紅玉宮》の魔王、ヒースクリフとフィールドボス、The Traitor《反逆者》こと、俺が95層のボスを倒
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