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或る皇国将校の回想録
幕間 安東夫妻のほのぼの☆東洲再建記
第一章安東家中改革
安東家中大改革(上)
[前書き]

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【安東家中大改革】
かつて、将家とは皇主と中央政府の権威を代行する統治者であった。
諸将時代に中央政府の実力が失われると、将家が軍閥の主に変遷すると、
よりその地域の利権に食い込むために当主と土着の実力者である家臣団は利害の面で密着し、利益代弁者としての側面を持つようになった。

 国内の安定を目的として五将家が中央政府を再建し、行政を取り仕切る様になると、徐々に皇都を中心とした政財界の再編が進むと、将家は中央・地方政府の高級官僚であり軍事指揮官であるが故の特権階級と変質してゆく。
しかしながら土着の家臣団の自己認識は、自分達は土地を支配し利権を牛耳る者であり
将家の当主はその利益代弁者である、という旧弊的なものであった。

 とりわけその色が濃かったのは龍州と皇都を結ぶ不破原と皇龍道を支配してきた安東家であった。 
 大街道の主、安東家にとって皇都を中心としたる経済と政治の安定は莫大な利益をもたらす筈であった。

 だが実際には重臣団の既得権益の増大による内部争い、増長、そして必然的な非効率化による衰退が始まった。
 その安東家が内乱により壊滅的な被害を受けた東洲を恩賞として受け取り、旧領を返上した時には安東家は過去の清算を果たせず破滅への舵を切った――周囲にはそう見做されていた。

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