暁 〜小説投稿サイト〜
クラディールに憑依しました
入団試験を受けました
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キルは硬直が短い。
 普通ならディレイ――ソードスキルの硬直が続いている振りをして相手の油断を誘う所だが。
 好戦的なアスナの性格だ、俺が着地する前にソードスキルを発動させて追撃を仕掛けて来るだろう。


「さぁ、此処から逆転の時間だッ!!」


 硬直中のアスナが罠に気付かない様に、大声を出して空中で堂々とメニューを開く、そして出来るだけ大きな両手剣を取り出した。
 アスナの視線を確認するが、空中に居る俺に釘付けで――目の前の罠にはまったく気付いていない。


「アスナっ!! 駄目っ!!」


 リズベットが叫ぶがもう遅い。
 俺を追撃する事に集中しているアスナは、もう何も聞こえていない。
 ――ソードスキルの硬直が解けた瞬間――アスナのリニアーが発動したが、俺に届く事は無かった。


「!? 嘘っ!?」


 アスナがソードスキルを発動した瞬間――片手剣に足を引っ掛けて倒れたのだ、アスナの両足には片手剣による無数の傷が刻まれ、立ち上がる事が出来ない。
 俺が背に隠し続けていた罠それは――アスナの細剣の耐久度を削った片手剣合計六本。

 アスナの死角でメニューを開き――馬鹿高いSTRで全て膝下の高さまで突き刺して気付くのを遅らせた。
 普段は絶対に装備しないマントを着けたのもこの為だ。


「それがソードスキルや麻痺毒などの――システムサポートが入るBADステータス『転倒』だ、落とし穴に掛かった様な物だと思えば良い」
「――――卑怯者っ!!」
「最高の褒め言葉をありがとう、とても嬉しいよ?」


 俺は座り込んで身動きが取れなくなったアスナに両手剣を振り下ろし――勝利した。
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