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俺、リア充を守ります。
第11話「I'm a テイルイエロー!!」
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 気がつけば、俺の周りは真っ暗闇で、ただ、俺の立っているところだけが白い光に照らされていた。そして目の前には、見覚えのある影が背を向けて立っている。

 間違いない、後ろ姿だけでも、誰のシルエットかは判断できる。

「テイル……ドラゴン……?」

 こちらを振り向いたその姿は、紛れもなくテイルドラゴンだった。

 これは、どうゆう事だろう?俺はここにいるのにテイルドラゴンが俺に向かい合うなど。

 次の瞬間、向かい合ったテイルドラゴンが全身から怒りの炎を噴き上げ、咆哮する。

「ッ!?」

 気づいた時にはもう遅く、暴走したテイルドラゴンは、俺に、炎爪の切っ先を向けて飛びかかって……。

 

 □□□□

 

「…………やっぱり、夢じゃなかったのですわね」

 意識を取り戻し、基地の様子を目にした会長は途方に暮れるようにそう呟いた。

 最後まで悩んだ。ヒロ兄の弟子で、正体を知っていると言っても会長は一般人だ。気絶したんだから、うまく口裏を合わせて、夢でも見たということにしてもらえないか、と。

 しかし、桜川先生にそれは無理だ、ときっぱり断られた。

 だから俺は、これまでの大まかな事情を、そしてヒーローCはヒロ兄がテイルドラゴンとなるに至った経緯を、二人に包み隠さず説明した。

 エレメリアンやジェラシェードの事は、ヒロ兄が大方のことを話してはあったが、衝撃が強すぎるため、トゥアールの世界が滅んでしまった顛末と、ジェラシェードが侵攻した世界の末路だけは上手く誤魔化して。

「そうですか……皆さんは、人間の「好き」を守るために……」

「それにしても、学園きっての問題女子が二人揃ってツインテイルズ関係者とは、世界は狭いものだなあ」

 さすが会長の護衛というべきか、桜川先生は冷静さを取り戻し、場に馴染み始めていた。

「そういえば、師匠は……千優さんの容体は如何ですの?」

「千優さんなら無事です。ヒーローギアの暴走で、極度に体力を消耗していますが……もうすぐ、目覚められると思います」

「よかった……暴れだした時はどうなってしまうことかと心配で……」

 今、ヒロ兄は、もしもの時の為にと、基地内に作られていた医務室のベッドに寝かされている。

 死んだように眠っているが、息はあるから、いくらか安心できる。今は母さんが付いてくれているし、起きたら分かるだろう。

「やっぱり……暴走していたんですのね……いつもと違って、まるで捕食細胞を狩るトカゲか、紫の恐竜コンボのライダー、もしくは光と闇の巨人のように荒々しい戦いぶりから、まさかとは思いましたが……」

 特撮で例える辺りが会長らしいなぁ。

「仲足が暴走するなど……相当の事があったようだが……」
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