暁 〜小説投稿サイト〜
俺、リア充を守ります。
第8話「赤・蟹・襲・来」
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「その……また、いつか機会があれば……」

 ちょっと俯き加減に、慧理那が呟く。

 その先がなんとなく読めた俺は、ちょっと迷ったけど答えた。

「ああ、機会があればまた行こうな」

 答えた瞬間、慧理那の顔が赤くなったような気がする。

 いや、それは俺が起きてからだったような……。

「そ、それではまた!」

 ドアを閉めると、車はすぐに走り去って行ってしまった。

 左頬に触れる。

 つつかれたので起きてしまったが、何故普通に起こさずあんな行動に出たのか気になり、見極めようと狸寝入りしてしていたのだが……撫でられるとは。

 こんな行動に出る理由を考えてはみたのだが……。

「なあヒーローC……慧理那の顔が赤かったような気がするんだけど……」

『そうか?俺に聞かれてもな……カーナビで桜川尊を道案内していたから、俺は見てないぜ?』

「そうか……」

 正直、理由は思い当たる。俺がよく知っている筈だ。

 だがそれを決定づける根拠がない。

「まさか……ね」

 あれ、愛香と同じ恋する乙女の表情だったと思うんだが……うん、まさかその相手が俺って事は……。
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