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俺、リア充を守ります。
第8話「赤・蟹・襲・来」
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目を向けると……。

 ふふっ、男の人にこう言うのもなんですが、少し可愛らしいです。

 起きている時に言ってしまうと、おそらく全力で否定されてしまうでしょうけど。

 ……何でしょう。無性につついてみたくなってきました。

 ……ちょっとだけなら……本当に、起こさない程度に、ちょっとだけなら……。

 人差し指を伸ばし、起こさないように恐る恐る指先で頬をつつく。

 指先が触れた瞬間、千優さんの目元がピクッっと動く。

 咄嗟に手を引っ込めたのですが……再び寝息が聞こえてきました。

 危ない危ない。うっかり起こしてしまうところでした。

 それにしても、まだ起きないんですね。

 まあ、この寝顔をまだ見続けていられるなら、別に構わないのですが。

 それにしても、今日のショッピングはちゃんと埋め合わせになっていたのでしょうか?

 いえ、なっていたとしてもこれくらいでは先日、わたくしや尊、観束くんや津辺さんの命を救ってくれた事への埋め合わせには……到底なり得るはずがないでしょう。

 千優さんは別に気にしないで、なんて言うのでしょうが、それではわたくしの気が……。

 ……ふと、先ほど、別れ際のテイルドラゴンちひろさんに撫でられたのを思い出す。

 エレメリアンとの戦闘後、頑張ったテイルレッドとテイルブルーに、まるで娘を褒める父親か、あるいは妹を褒める兄の様に、殆どいつもしてあげている行為です。

 ……今、わたくしにしてあげられるお返しはささやかなものでしかありません。

 それに、千優さんが本当にそれを望むのかも分かりません。

 それでも……今しか出来ない、次の機会はいつ訪れるのかもわからない。それなら、今ここで……。

 千優さんの頭に手を添え、起こしてしまわないようにそっと、優しく撫でる。

 ……これぐらいの事しか思いつきませんでしたが……頑張ってくれている貴方へのお礼です。

 これからも、3人で世界を守ってくださいね。

 

 □□□□

 

 仲足家前

「今日はありがとうございました」

「礼を言うのは俺の方だよ。支払いしてもらった訳だし……」

 購入した服やアイテムの入った紙袋を手に、車を降りる。

「共通のものを購入したのです。纏めて払った方がいいではありませんか」

 いやホントに申し訳ない。俺の方から提案しといて支払わせてしまうとか……。

「それに、わたくしは充分満足させていただきましたから……」

「満足か……まあ、確かに今日は楽しかったよ」

 限定品は手に入ったし、新しい服も購入できた。

 それに修行の成果も見れたし。

「は、はい……その……し、師匠!」

「ん?」

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