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竜のもうひとつの瞳
第七十四話
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「さっさと調査を終えて戻ってくれば良いだけの話だ」

 聞く耳持たない、そう言いたげな政宗様に、小十郎も引き下がるしかない。
てか、説得させてる時間が惜しいから早々に礼を述べて小十郎を引っ張っていく。

 着替えを済ませて荷物を纏め、庭へと飛び出す。

 「私も行く。少しでも情報が欲しいからな」

 「ありがと! あ、空飛んでくけど大丈夫?」

 「ああ。飛行忍具を使っているからな。……差し当たって何処へ行く」

 「雑賀衆のアジトに行きたい。ひょっとしたら戻って来てるかもしれないし、何か手がかりがあるかも」

 分かった、と言ってかすがが素早く上空へと舞い上がる。
ハングライダーみたいなものを使って飛んでいるのを見て、私は思わず口笛を吹いてしまった。

 「アレいいなぁ……コントロールが楽そう」

 私の婆娑羅の力と併用して使えば、負担が少なくて済むかもしれない。まぁ、今は無いから仕方が無いけど。

 小十郎の腰に手を回して、地面を軽く蹴る。かすがの後を追うようにして私達も空を飛んだ。

 開戦まであと四日、それまでには戻らなければならない。少しでも手がかりを得て、阻止出来るのならば阻止しないと。
何となくだけどこれがラストチャンスのような気がするし。

 ……しかし、どうでもいいけど本当腰が細いな。男の癖にくびれがあるってどうなのよ。

 「畜生、ムカつくな……」

 軽く舌打ちをして腰を触る私に、小十郎がびくりと身体を震わせて恐る恐るといった様子で私の顔色を窺ってくる。

 「あ、姉上?」

 「……男のくせに胸はあるわ、お尻は張ってるわ、腰は細いわ、くびれはあるわ……許せん!」

 「ちょ……まっ、や、やめっ……」

 空の上で抵抗出来ないのを良い事に、かなりのセクハラを働いてやりました♪

 悔しいなぁ〜……何で小十郎にこんな条件が揃ってて、私にはないのよ。
スットントンでお尻も小さいし張りもあんまりないし……あーもう!! 自分と比較したら余計に腹立ってきた!!
涙目になって許しを請う小十郎を完全に無視して、あのけしからん尻を鷲掴みにしてやる。
変な悲鳴を上げてたけど、雑賀衆のアジトまでの道のりは長い。覚悟しとけよ? お姉ちゃんを怒らせた罪は重い!

 ちなみにかすがにはかなり白い目で見られたけど、そんなん知りません。
こんなメリハリのある身体をしてる小十郎が全て悪いのよ。
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