暁 〜小説投稿サイト〜
天才少女と元プロのおじさん
入部編
1話 ゴールデンウィークなのになー??????
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「バット振る時はもっと後ろを広く使った方が良いよー」

「え?」

 

 白菊は正美の予想外のアドバイスに疑問符を浮かべた。そんな白菊に正美は動作も交えバッティングのアドバイスをする。

 

「三輪さんは野球をされていたのですか?」

「そうだよー。今もパパと同じチームでやってるんだー」

「そうなんですね。ありがとうございます。午後の練習で試してみます」

「うん。シュバッとかっ飛ばしてよ。それじゃあねー」

 

 正美もグラウンドを後にする。教室で無事に教科書を回収した正美は学校を後にするのだった。

 

 

 

 

 午後の練習にて、白菊はシート打撃でいつも以上に快音を響かせた。

 

「さっきの打撃凄かったな。どうしたんだ?急に調子良くなって」

 

 練習が終わり、みんなで片付けをしていた時、野球部の部長、岡田おかだ 怜れいは嬉しそうに問い掛ける。

 

「実はお昼にクラスの娘から助言を頂きまして」

「グラウンド出た時、話しとった娘?」

 

 博多弁を話すのは福岡っ娘の中村 希。午前練習後にグラウンドから出た時に白菊と一緒に居たうちの一人である彼女は会話に混ざった。

 

「はい。同じクラスの三輪さんです」

「なになに〜、うちにまだ野球経験者がいたの?」

 

 目を輝かせて尋ねるのは生粋の野球オタクであるマネージャーの川口 芳乃。

「今もお父様と一緒に草野球をしているそうですよ」

「そっか〜。うちは人数ギリギリだし、入ってくれないかな〜?」

「そうだな。誰かが負傷した時に交代できるやつが居た方が良いもんな」

 

 芳野の言葉に怜が同意する。現在、新越谷高校野球部はマネージャーの芳野を入れて10人しかいない。誰かが怪我したり体調不良になったりしたら芳乃が試合に出なければいけなかった。

 

「よーし。学校始まったら三輪さんに会いに行こー!」

 

 すぐ横で話を聞いていた新越谷高校野球部のエース、武田 詠深は元気良くそう提案するのだった。
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