暁 〜小説投稿サイト〜
明日の日記
家を買う#2
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「 このかっこ読みにくいですよね 」
「 やっと気付きましたか 」
「 縮めますか 」
「 ですね 」

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「というわけで、キッチンの間取りは決まりつつありますが」
「が?」
「家ノイローゼになりつつもあります」
「シックハウス症候群的な感じですか?」
「家の間取りを考え始めると頭が痛くなります」
「病気ですね。心の」
「夢のマイホーム計画なのに楽しめないのは損してる気分です」
「まずは体調優先では」
「今しか出来ないことなので、無理してでもやりたいんです」
「生き急いでますね」
「既に着手金払ってますし」
「たしかに」
「今は順番待ちですが、順番が着たら設計士との打ち合わせが始まるので、それまでに要望をまとめとかないと...」
「効率を求めすぎて体調を崩す人の思考になってますね」
「人生最大の買い物ですから」
「それで体調を崩してもいいと?」
「それくらい頑張らないと、家が建ったときに、もっとこうしておけば良かったって思っちゃう気がするんです」
「その時は時間を戻せばいいじゃないですか」
「たしかに」

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「まぁ何はともあれ」
「?」
「私を放っておいて、家の事ばかり考えるとは」
「まぁ...たしかに」
「今、楽しいですか?」
「今は楽しくないですけど、将来のことを考えると...」
「将来のために今を犠牲にするんですか?」
「そういうわけではないですけど」
「では、どういう?」
「...いえ、今を楽しめてなかったですね。コレは良くないな」
「そうでしょう」
「ありがとうございます」
「今を楽しめない人に未来はありませんよ」
「まるで神のお告げのようですね」
「そのとおりですが」
「ですね」
「将来のことは将来のあなたが考えますよ。自分を信じて、今を楽しく生きましょう」
「はい」

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「いやーたのしいなー」
「椅子に座っているだけでは?」
「女神様と一緒に居るだけで幸せです」
「幸せのハードルが低い」
「でも、普通に考えたら、こうしてお話しできる事も奇跡みたいなものじゃないですか」
「もっとありがたく感じてもいいですよ」
「ありがたやー」
「棒読み」
「態度で示すって難しいですね」
「普通にしてれば問題ないのでは。棒読みじゃなくて」
「あらためて感謝を伝えるのってはずかしいじゃないですか」
「本人を前にそんなこと言う人は恥ずかしく感じてないと思いますが」
「てへ」
「可愛くない」
「ぺろを言わなかっただけでも評価していただけるかと」
「どちらにしても好感度はマイナスでした」
「どっちのマイナスの方が大きかったですか?」
「救いのない二択だったことは間違いないですね」
「あちゃー」
「棒読み」


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