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飼い猫の友達
第二章

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「勝手気ままが」
「聞いてたけれど」
「こういうところがいいでしょ」
 猫のというのだ。
「そうでしょ」
「そう言われると」
「じゃあね、後は脱走させない様にして」
 アルセウスをというのだ。
「やっていきましょう」
「室内飼いでいくのね」
「脱走したら元野良だから帰って来る保証ないわよ」
 春香の今の言葉はシビアなものだった。
「それこそ」
「だからなの」
「お父さんと母さんも言ったし」
 室内飼いでいこうとだ。
「だからね」
「それでなのね」
「そう、いいわね」
「じゃあ脱走のことはね」
「気をつけてね」
 こう話してだ、そのうえで。
 一家でアルセウスを室内飼いで飼っていった、アルセウスは隙があれば出ようとするがそれは一家全員で防いでいた。その中で。
 絵里は休日にリビングでテレビゲームをしている時に姉妹に言った。
「アルセウスどうしてるの?」
「窓のところにいるよ」 
 スマホゲームをしている凜が窓の方を見て答えた。
「外に出たがってるみたい」
「そこは出さないでね」
 それでというのだ。
「絶対に」
「そうよね」
「窓は閉めてたらいいから」
 お茶を飲んで読書をしている春香も言ってきた。
「安心してていいわ」
「そうよね」
「ええ、ただね」
 春香は窓の方を見てこうも言った。
「お庭に猫ちゃんいるわよ」
「窓の方に?」
「ほら、見て」
 その窓の方を見つつ言う。
「錆模様の猫ちゃんいるわよ」
「あっ、いるわね」
 凜も窓の方を見た、すると実際にその黒と白そしてこげ茶色の錆模様の感じの猫がいた、その猫を見て納得した。
「野良猫ね」
「アルセウスの野良時代の友達かしら、話している感じだし」 
 春香にはそれがわかった、実際に窓越しに見合って泣き合っていた。
「ニャンニャン」
「ニャン」
 春香はその猫を見つつ言った。
「若しかして」
「?その猫って」 
 絵里はゲームを一時中断して窓の外の猫を見た、そうしてこう言った。
「何か違うわね」
「違う?」
「違うっていうと」
「普通の猫とね」
 こう姉妹に言った。
「ちょっと」
「どう違うの?」
「一体」
「身体つきとか大きさが」
 どうもというのだ。
「普通の猫ちゃんとね」
「そういえば」
「そんな感じ?」
「言われてみると」
「どうも」
「そうよね。そういえば」
 ここで絵里はこうも言った。
「対馬だからね、ここ」
「まさか」 
 自分達の住んでいる場所のことを言われてだった、春香ははっとした。それでその猫を見つつ言った。
「あの猫ちゃん」
「ツシマヤマネコ?」
 凜も言った。
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