暁 〜小説投稿サイト〜
木ノ葉の里の大食い少女
第一部
第四章 いつだって、道はある。
いのとサクラ
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
。くノ一と男の忍びの修行方法とかもいろいろ違うと思うし」
「……そうね。望みはなくても頼んで見ましょ。案外うまくいったりして」
「うまくいかなかったら、二人で一緒に模索してみましょう。強くなって、仲間を守れるようになって、そしていつかこの答えを探す」
「ええ、約束」

小指と小指を絡めあわせ、笑いあう。

童話の中の英雄は、常にハンサムで優しく情熱的であり、
童話の中のお姫様は、常に絶世の美女で優しく、
童話の中の裏切り者は、常にわかりやすく目をきょときょとさせ、
童話の中の悪者は、きっと醜く、そして絶対悪の象徴で、
童話の中で最後に勝つのは必ず正義だ。

だけどこの世界は童話ほど単純ではない。童話よりもずっとずっと、複雑だ。

冷酷で冷静な忍びが沢山の敵を殺せば英雄だし、
少女がお姫様でいることを夢見るのは甘えととられ、
裏切り者は常に巧妙に本心を隠して演技をし、
誰かにとっての悪者は誰かにとっての英雄で、
この世界には正義も悪も存在せず、全てが個々の里の基準に決まる――

 いのとサクラは誓い合う。もう夢見て恋するだけの少女にはならないと。クナイを握り戦線で戦いながらも、従順に里に従うだけの道具ではなく、忍びの在り方を探っていく意思を持った人間として存在し、そして相手もこちらも任務であることを常に忘れないことを、犯罪者も英雄も全てこちらの里の基準による判断であることを。もっと強くなることを。

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ