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木ノ葉の里の大食い少女
第一部
第四章 いつだって、道はある。
いのとサクラ
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……これ、綺麗事? 忍者なら忍者らしく割り切れって、そういわれるかな……」

 ぐ、と下唇を噛み締める姿に、サクラは拳を握り締めた。

「忍びは道具、感情は持つべきではないって、私たちはいっつもアカデミー教わってきたよね」
「うん」
「でも私の周りの忍者って、基本的に感情丸出しで。隠れ里が独立しても全く問題ないんじゃないのって思えるくらい、忍びの政治にかかわってこない大名のこともあって、自分が道具だって意識してる忍者ってきっとすごく少ないわ」
「……うん」
「今回は砂と音が悪かったわけだけれど……でもだからって木ノ葉側が正義とは限らないのよね。場合によっては私たちが悪であるかもしれない。でも私たち、わかんないのよ。いつだって木ノ葉視点でしか物事を見れない。木ノ葉が正しく、他里が悪い――多分今までずっとそんな考え方を教えられてきた、もしくはそう解釈できるような視点の見方を教えられてきた、そしてこれからもずっと。でもだからって木ノ葉が悪いわけじゃないのよね。なんていうか、自分が悪いだなんて認めるのは難しいし。木ノ葉にも木ノ葉なりの正義だとか理由だとかあるんだろうけれどそれが客観的に見てどうなのかってことは木ノ葉自身にわかることじゃないものね」

 しかし全てを木ノ葉の基準で測っていては――いつか本当に見るべきものが見れなくなってしまう。

「……いっぱい喋ったけど、でも結局何すればいいのか全然よくわかってないの、私。忍びってどんなものか、どういう風に在るべきか――全然わかんないの。忍びって一体どんなものなのかな、ねぇ、いの」
「……それは」

 わからない。考えるにしても二人の忍びとしての経験は不十分に過ぎ、木ノ葉に対する理解もあまりに浅く、また他里に於ける忍に対しての理解はもっとない。十三歳ほどの幼い少女が模索するには余りに難しい問題。もしかしたらどこかの誰かが一生をかけてでもわからなかったかもしれない難問であり、或いは答えがなく、或いは複数の答えを持つ問題。
 それでも答えを導きたい、サクラといのは全く同じことを思った。たとえ一生かかってでさえ答えがわからなくても、何か答えに近い形を見つけ出せたらと思う。

「ねえサクラ」
「うん」
「もっと強くなりましょ、ね、二人で」
「うん」
「仲間を守りたいだとか里のためだとか、そういうためだけでもなくて」
「うん。強くなったら地位は上がるし、もっと沢山の情報や知識ももてるもんね」
「頑張ろうね」
「うん。……あ、そうだ」
「なに?」
「綱手さまに弟子入り、してみよう、かな……」
「弟子入り? 綱手さまに?」
「いや、綱手さまでなくても……強い忍に。もちろんカカシ先生やアスマ先生でもいいけど……でも女の私たちは女の綱手さまに学んだ方がいいんじゃないかなって思うの
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