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魔女が使えないたった一つの魔法
3.お願い

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「お願い?とは?まぁ、酷いものでなければ叶えるが…」
神はより深く首を傾げて言った。
紗夜はその言葉に頷いて続けた。

「お願いというか、能力?スキル?まぁ、そんな所かな、いくつか欲しいものとか知りたいことがあるの。」
神はあぁ、と気づいた顔をして、許可を出した。
紗夜は少し考えてから言った。

「えー…っと、まずはまぁ、基本知識の事ね。言葉とお金のことと、あと国同士の事とか歴史とかの知識が欲しい。
それから、魔法をいくつか覚えておきたいかな。そうね…個人用の結界魔法と、治癒魔法はすぐ使えたら嬉しい。
あと、本!!元いた世界の本と、ここの世界の本と、たくさん欲しい。それから楽器ね。ピアノと、ハープと…………」

「ち、ちょっと待ってくれ…多いな…覚えられん…それならこれをやるから必要なものはこれから出してくれ。家とかも何でも出るから……。」
神はそう言って、水晶玉のようなものを渡してきた。紗夜はありがたく受けとった。

「じゃあ、お願い終わったし、そろそろ。」
神は右手を空にかざしてゲートを開いた。
紗夜が向かおうとすると、神はひとつ思い出したと言って慌てて紗夜に聞いた。

「大事なことを忘れていた。魔女は不老不死なのじゃ。そのせいで前代の魔女は嫌になってしまった様なのじゃが…」
神は不安そうに聞く。紗夜が今からでも断ってしまうのでは無いかという顔をしている。

「そう、なら見た目は19歳ぐらいの美少女にしておいて。」
紗夜の意外な切り返しに神は驚いた顔をしていた。
紗夜はニコッと笑って、ゲートをくぐった。
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