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神機楼戦記オクトメディウム
第2話 戦士達の帰還
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沌から救う為に戦っているのだった。
 なので、忍者としてその身が洗練されている千影のみならず、運動音痴な姫子まで戦場に駆り出される羽目となっているのだ。無論、姫子は最初にその話が舞い込んで来た際にやんわりと断ろうとしたのである。
 だが、結局は姫子がそうしなかった理由に以下の三つが存在するのであった。
 まず、一つ目に姫子自身の真面目な性格があったのだ。人々が困っていて、それを自分の力があれば解決出来るかも知れないという条件は、彼女を突き動かすには十分であるのだった。
 そして、二つ目に相方の千影の存在があった。姫子は彼女とは小学生時代からの幼馴染みであるのだった。それが入学に受験が必要な高校まで奇跡的に一緒になれた事を考慮すれば、姫子と千影の絆がより一層深くなるというのも必然的というものであろう。
 最後に三つ目の要因であるが……これは今正に話に浮上しようとしていたのであった。
 ここで、千影がおもむろに携帯電話を取り出したのである。ちなみに現代人御用達のスマートフォンである。
 余談だが、千影はこの産物は個人的に好きではなかったりする。本来電話を携帯する為の物であるのに、これは通話に向いていない板状というのだから。
 だが、昔の使いやすい折り畳み式の携帯電話の需要と供給が日に日に減っているが為に、千影は買い換える際にやむ無くスマートフォンに乗り換えるしかなかったという事なのである。要は妥協というやつである。
 そんな彼女であったが、今では会話くらいなら滞りなく出来るようになっていた。やり辛さを感じている上に、スマホの最大の武器であるアプリは使いこなせてはいなかったが。
 それは、忍術という日本古来から伝わる技術をその身で修得してきた千影にとって、現代技術の最先端までこなすという話は酷というものであったのだ。
 そう、姫子を運動音痴と称するなら、千影は機械音痴といえる所なのだ。
 それでは、先程操っていたばかりの鏡神はどうなるというのかという話題になるのだが、こうしてそんな千影が難なく使いこなせる事からも最早機械としての範疇を逸脱している事の証明であった。
 ともあれ、その千影にとって『通話ツールとしてすこぶる使い辛い代物』を使って彼女はある人に連絡を入れる所であったのだ。
 そして、スマホのスピーカーの中から聞こえてくる接続中の音を耳にしながら、彼女は暫し待つ。
 すると、その音が途切れたのである。どうやら無事に繋がったようである。後は、スマホから聞こえる声の主とのやり取りをするだけだ。
「はい、大神です」
 聞こえて来たのは、二十代半ばと思われる若い男性の声であった。その声に千影は言葉を返していく。
「こちら姫宮千影です。今回も無事に済みました」
 そう千影が言っただけで、スマホの向こうの男性は事の全てを理解したよ
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