暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
艦娘とスイーツと提督と・EX6
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
    〜衣笠:ラング・ド・シャ〜

「そういえばさ、あの時の青葉のリアクションどうだった?」

「あの時?」

「ほら、前に青葉が提督に無茶振りしようとしてるよってチクった事あったじゃん!」

「ん?あぁ、前にチケットでお仕置きした時か?結局全部食べきれなくて涙目でギブアップしたよ」

「マジで!?青葉お気の毒〜っ!w」

 ソファの上で胡座を掻き、衣笠がゲラゲラと笑っている。今回のチケット当選者は衣笠。というか以前に青葉の暴走を未然に報せて貰った事があったんで、今回のチケット当選は仕込みなんだが。

「いや、そもそもあのゲテモノメニュー頼んだのお前発信だって聞いたんだが?衣笠」

「だってさぁ、青葉に『司令が作れそうになくて、かついいネタになりそうなスイーツって無いかなぁ?』って聞かれて調べただけだよ?私」

「いやそれ結局お前が原因じゃね?」

 あの店のメニューを提案しなければ、あんな惨劇は起きなかったワケだし。

「でもさぁ、結局私が密告したのに悪ノリして沢山作ったのは提督でしょ〜?それを衣笠さんのせいにするのは筋違いだと思うなぁ」

「じゃあまぁ、お互い悪かったという事で手打ちにしとくか」

「だね♪」

 にししし、と笑う衣笠。この竹を割った様な性格のお陰で、俺はこの悪戯好きの娘の前ではついつい本音を漏らしてしまう。それが青葉にリークされてしまう事もしょっちゅうだが、その辺の匙加減は弁えた物で本当にバラされたくない事は絶対に漏らさない。そういう変に口の堅い所も、喋っちまう原因なのかもしれんが。




「そう言えばさぁ提督」

「なんだ?」

「忙しくてもヤる事ヤってんの?」

「ぶっ!」

 あんまりにもあんまりな聞き方の質問に思わずコーヒー噴いた。

「ちょっと〜!折角衣笠さんが美味しく淹れたコーヒーを噴き出すとか勿体無いでしょ!?」

「誰のせいじゃ!誰の!」

「だってさぁ、好きな人の要望とかは聞いときたいじゃん?」

 そう、衣笠は着任当初から俺LOVEを宣言しており毎年バレンタインと誕生日とクリスマスにはチョコやらプレゼントやらを欠かした事がない。その熱烈ぶりは金剛他嫁艦達も認める所であり、先日ついにケッコンを果たした時にはお祝いでパーティ(という名の飲み会)まで開かれていた。

「あのなぁ………」

「ねぇねぇ、やっぱり子供は欲しいの?何人位?」

「……はぁ。さてね、子供は授かり物っていうが俺の場合は嫁が嫁だからな」

 艦娘というのは妊娠しにくい。何故なら子宮内部に艦娘としての能力の核とも言える艦霊を物質化させた通称『核玉』が存在するからだ。それは艦娘の老化を極限まで遅くする効果をはじめ、肌の硬質化や修復剤による細
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ