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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
疾走編
第二十二話 展望
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で処理する事柄だけど、艦艇の故障や不具合はそうはいかない。どちらにしても艦隊の戦力発揮に関わる事だから、司令部参謀はそれをキチンと把握して、それを更に朝から昼にかけて正規の書式に落として夕方の就業時間終了時までにビュコック提督に報告する…のだけど、報告書の作成中に突発事象が起きたりもする。そうすると、またそれについても報告書を作成しなければならない。停泊中はこれが毎日続く…。アニメの中では他人の作戦案にイチャモンつけてるだけにしか見えなかったから、意外に楽勝配置だと思っていたんだけどなあ…。
でも俺の場合仕方のないことなんだそうだ。大抵は司令部参謀でも少尉や中尉の仕事だからだ。それを知っているから次席参謀も首席参謀も通常の場合は無理はさせない。俺はそこをすっ飛ばして来ている上に将官推薦だ。いきなり大尉という階級に就いた以上、こなさなくてはならない(又はこなしてみせろ)事らしい。そんな事だから、次席参謀のイエイツ少佐は自分の作業量が減る事の方がよほど嬉しかったらしい。

“いやあ、優秀な後輩が来てくれて助かったよ、本当にありがとう”

なんて、喜びすぎて逆にシェルビー大佐に怒られる始末だ。
それにひきかえ副官のオットーは(比較対象としてだけど)それほど忙しくない。奴はビュコック提督の個人副官だから、マネージャーみたいなもんだ。下手すると提督と三次元チェスをしていたりする。
司令官室でその光景を見た時、ちょっと殺意を覚えたもんな。
司令部内務長のカヴァッリ大尉もそれほど忙しくない。彼女の仕事は、艦隊司令部の雑務をこなす十人のスタッフのとりまとめだからだ。
俺だけが、忙しい。訓練中の方がむしろ暇なくらいだ。
訓練中、要するに艦隊の行動中は、異状がない限り艦隊司令部への日施報告は省略される。訓練と言っても敵がいないだけで作戦行動中となんら変わらないから、『異状がないなら静かにしてなさい』という訳だ。

 「だろ?忙しそうだから言いそびれたんだよ。まあ、黙ってて悪かったな」
「そうそう。悪かったわね、参謀殿」
「はあ…もういいよ。二人共、おめでとう」
それにしても卒業式の後にそんな事が有ったのか。エリカは元気にしてるかな…。
「お前はどうなんだよ、ちゃんとエリカちゃんと連絡取ってるのか?」
「一応ね…」
「おいおい、大丈夫かよ?」
「大丈夫さ、きっと」

 キャゼルヌ中佐に言われたような俺達に対する反感は、艦隊司令部や旗艦内部に限って言えば、あまり感じられない様な気がする。オットーは至って常識人で自分をひけらかす様な事はしないし、俺も後ろ指を指される事がないように気をつけていたから、探す粗がなかったのかもしれない。シェルビー大佐とイエイツ少佐に限って言えば、むしろ同情される事の方が多かった。
「推薦を辞退出来ないってのも中々
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