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おっちょこちょいのかよちゃん
40 四種の聖なるアイテム
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 森の石松。死後、平和を司る世界へと移されていたが、かつて住んでいた世界が日本赤軍が行った異世界との接続により、再び清水に舞い戻ってきたのである。その石松は今、御穂神社にいた。
(ここか・・・。三保は今でも美しい・・・)
 そして石松は呼ぶ。
「御穂津姫」
 石松が呼んだのはこの神社の神だった。
「貴方は森の石松ですね。何か御用でしょうか?」
「ああ、聞きたい事がある。お主が29年前に二人の少女に渡したという杖と護符についてだ」

 七夕の大雨から二日後、小学校は再開された。かよ子の隣の家の娘(今は名古屋に住んでいて、帰省の身である)さりの能力(ちから)によって水は干上がり、電化製品も無傷の状態に戻した。また本来は流されたり、どこかに散らかっていたりしていてもおかしくない児童の物や置物などはそのままとなっていた。
(護符の能力(ちから)ってここまで復元できるんだ・・・!!)
 そんな時、かよ子を呼ぶ声が後ろから聞こえた。
「おっはよ〜、かよちゃん!」
「あ、まるちゃん、おはよう」
「いや〜、昨日は休みでアタシゃのんびりできたよお〜。今日も学校休みだったらよかったのにねえ〜」
(まるちゃん・・・)
 かよ子は大雨の中の戦いで「次郎長」のメンバーである大野、杉山、ブー太郎は参戦していたが、まる子がその場にいなかった事を思い出した。
「でも、私あの時は大変だったよ」
「え、どうして?学校が休みでよかったじゃん」
「私の家浸水しちゃったし、それに異世界からの人間が襲ってきて大変だったんだよ!」
「え!?そうだったのお〜!?」
 休みをただ喜んでいるまる子に少し呆れたかよ子であった。その時、大野、杉山、ブー太郎も近づく。
「おい、さくら。お前、一昨日の夜、どうしてたんだ?」
「あ、いや、その・・・。寝てた」
「お前、『炎の石』持ってんなら『次郎長』の一員としての役目を忘れんなよ!」
「そうだブー!オイラの所も浸水は避けられたけど、出動したんだブー!」
「ご、ごめん、ごめん・・・」
 皆から叱責を喰らうまる子であった。

「某はその杖と護符という道具の事についてよく知らん。渡した意図と共に答えて貰いたい」
 御穂津姫は石松の質問に答える。
「それはあのお二方が空襲を受けた後の苦悩で手を差し伸べたかったからです。我々の世界の『道具』にはその世界の住人も知らぬ機密の道具もあるのです」
「機密の道具とな?」
「はい、それは四つの道具です。剣、杯、そして私がフローレンスから三河口奈美子、今の羽柴奈美子と山田まき子へ渡してほしいと頼まれた杖と護符。これをよく知っているのは大天使・フローレンスとイマヌエルと渡してほしいと頼まれた者のみです。戦後の混乱で苦しむ者のうち、生き抜きたい意志を強く持つ者四名を選抜し、各々の神社
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