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NARUTO日向ネジ短篇
【日向は木ノ葉にて】
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「言わせておけばいいの。実際日向は木ノ葉で本当に最強なわけじゃないし……“日向は木ノ葉にて最強”というのは、父上なりの一族としての誇りで言っていたと思うのよ。寧ろ父上は、大戦後その言葉を口にしなくなったのに、一体どこで尾ひれが付いたのかしらねぇ」


「そういや前にシカダイに、お前んとこの母ちゃん日向のお姫様だろ?って言われたことあるんだけどさ」

「え? 何それ、……姉様が日向のお姫様なら、私は何なのよ」

 自嘲気味に聞いてくるハナビに、ボルトは首を傾げながら言う。

「日向の……お姫様姉妹??」

「あははっ、やめてよ恥ずかしいわね。そういうの柄じゃないわよ姉様も私も。そもそも日向の次期当主は私なのに、全くどこでそんな身も蓋もない尾ひれ付いたのかしら。正直、くだらないわよそんなの」

 ハナビは深い溜め息をつき、ふと縁側から虚空を見つめる。


「……本当に日向が木ノ葉にて最強だったら、ネジ兄様が死ぬはずないでしょうに」

「じゃあ……ネジのおじさんが生きてたら、日向は木ノ葉にて最強だって胸張って言えたわけか?」

「一族の誇りとしてならね、成り立つと思うわよ。……分家のネジ兄様が日向一族の当主となる事に、大きな意味があっただろうから。一族の誰よりも日向の才に愛された人だもの、ネジ兄様は」

「ふーん……。おじさんとハナビ姉ちゃんは確か六歳離れてたんだよな、どんなこと話したりした?」

「うーん、そうねぇ……始めのうちは近寄り難い雰囲気だったけど、暫くしてから快く稽古をつけてくれるようになったかな。中忍試験本戦のナルトさんと戦っているのを観戦していた時から憧れていたのよね、ネジ兄様の強さに」

 その頃を懐かしむように目を細め蒼空を見上げるハナビ。

「兄様が下忍から飛び級で上忍になってからは、忙しいらしくてそんなに話せる機会はなかったんだけど……日向一族の将来については、時々話し合ってはいたかしらね」

「日向一族の、将来?」

「えぇ……、次期当主は私じゃなくて、ネジ兄様が相応しいって話したりしたんだけれど、当の兄様は宗家の跡目の私に遠慮していたわね……。幼い頃から跡目として厳しい修行を受けて来たのに、その私を差し置いて分家の自分が当主となるなど烏滸がましいって……本当に頑固なんだから。──四歳の頃に父親のヒザシ様を亡くして、それからは宗家にしか伝授されないはずの回天を自力で会得してしまうほど努力して厳しい修行をしてきたのは、ネジ兄様の方なのに」

 一旦言葉を切ったハナビは俯き、呟くように言う。


「日向は確かに変わった。──変わらなければならなかったのよ、大きな犠牲と共に」

「大きな、犠牲……。ネジおじさんは、オレの父ちゃんと母ちゃんを身体を張って守って
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