暁 〜小説投稿サイト〜
なんかポケモンの世界に転生したっぽいんだけど質問ある?
初めてのポケモンは……だ〜れだ?
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「お邪魔しま〜す」

「おぉ、来たか緑郎」

「だからお爺ちゃん、その名前で呼ぶなって……」

「すまんすまん、よく来たのうグリーン」

 目の前でグリーンとやり取りしている白衣の老人が、大城戸 幸成(おおきど ゆきなり)博士。ポケモンの生態や生物としての研究をする『携帯獣学』の先駆者にして第一人者。その主な功績としてはポケモンの『タイプ』分類という、今では子供でさえ知っている常識をこの世界に生み出した事。更に、トレーナーとしても優秀であり、カントーポケモンリーグ優勝経験者でもある。他の地方のポケモン研究者とも幅広いコネクションを持ち、今尚ポケモン研究の第一線で活躍する研究者であるーー……って、研究所の入り口に置かれたパンフレットに書いてあった。見た目はアニメのまんま。気の良さそうなお爺さんであるが、その観察眼は鋭い……んだろうけど、今は孫に責められてタジタジの孫バカ爺ちゃんって感じだ。

「それより博士、私達のポケモンどこ!?」

 待ちきれない、といった様子でブルーが尋ねる。

「おぉ、そうじゃったの。さて……レッド、グリーン、ブルー、そしてキョウヘイ。4人共成人おめでとう。今日からお前さん等はとある権利を得た。ポケモンを所有する権利じゃ」

 そう言って、オーキド博士は手に持っていたモンスターボールを軽く放って地面に落とす。その瞬間、ボワンという音と共に軽い閃光が迸り、その光の中からオレンジ色の体躯の巨大な翼竜ーーリザードンが姿を現す。おぉ、生リザードン!超カッケェ!と静かに感動する俺。

「ポケットモンスター、縮めてポケモン。人間の良き隣人でもあり、脅威でもあるこの不思議な生物を儂は長年研究しておる」

 そう言ってオーキド博士はリザードンの顎の下辺りを撫でてやる。リザードンも嫌がる素振りは見せず、ゴロゴロと喉を鳴らして気持ち良さそうだ。恐らくはこのリザードン、オーキド博士の初めてのポケモンだったのだろう。よくなついているし、身体のあちこちに歴戦の証であろう小さくない疵が見受けられる。

「ポケモンは己の『心』を映す鏡の様な存在じゃ。ぞんざいに扱えば牙を剥くし、真心を以て接すれば言葉は解らなくとも心は通じ合える。お前達にはその気持ちを忘れずに、付き合っていってもらいたい」

「……お爺ちゃん、話が長ぇ」

 グリーンが痺れを切らして呻く様に呟いた。お前オーキド博士のありがた〜いお話だぞ!?黙って聞けや!と思ったが、孫なんだからこういう話はしょっちゅう聞かされてんのか。じゃあ飽きるわな!と納得する。

「ふぅ。では、お前達に初めてのポケモンを進呈しよう。フシギダネ、ヒトカゲ、ゼニガメの中から1匹を選ぶんじゃ」

「博士、1匹足りないわよ?」

「安心せい、ちゃんと準備してあるわい」


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