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おじさんのバレンタイン
第三章
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両手一杯にチョコを抱えつつ言った。
「大変です」
「ああ、今日は」
「バレンタインで」
「もてるな」
「それはその」
「いいことだ、ただな」
 山田は少年に笑ってこうも言った。
「それはな」
「それは?」
「若いうちだな」
「若いうちっていいますと」
「バレンタインどうこう言うのはな」
「そうなんですか」
「ああ、君も大人になってな」
 そしてというのだ。
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