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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
032話 行動を開始した二人の異邦人(後編)
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魔法が使えるようになったのよ」
「では先ほどの魔法の射手は姉さんのか!?」

そこでクックックと微笑をしていたエヴァが俺の隣に立っていた。
すぐに気づくべきだった。チャチャゼロが動けるのだからエヴァも今は少なくても力は取り戻していることを!
だが、驚きはそれだけではなかった。

「リク・ラク・ラ・ラック・ライラック」

エヴァが呪文キーを唱えたがただそれきりでなにも仕掛けてはこなかった。
疑問に思いふと、なぜ呪文キーだけ言うのか? というだけなのかと思った矢先エヴァから伝わってくる感じがこちらの魔法使いではなく魔術師に酷似していたのだから。
それでたどり着いた答えはただ一つだな…と、冷静に俺の頭は理解し疑問が一気に晴れた。

「…等価交換したな?」
「ほう…すぐに気づくとは士郎もやるではないか」
「そうよね。普通シロウならもっとボケてくれると期待していたのに…」
「褒められているんだか貶されているんだかわからんが……まず姉さん、エヴァの魔術回路を開いたな? そして見返りにおおかた魔法を教わるとか、なのか?」
「そういう事! エヴァに教わっていたんだけど結構慣れれば出来るものね」
「確かにな…ここ数日でイリヤはとても初心者とは思えないほどの実力を開花させた。考えてみれば確かに納得できてしまうものだな。イリヤの魔力の許容量はぼーややあの近衛木乃香をも凌いでいるのだから」

それは当然だ。姉さんはアインツベルンの最高傑作とも言われ切嗣の血も継いでいる元はホムンクルスなのだから…。
だが口が割れてもそのことは言わない。姉さんが嫌がるからだ。
昔は誇っていたが、今はもう、一人の人として扱われるほうが好きだというようになったから。




―――閑話休題。


「それで私の始動キーは『ニー・ベル・ロー・レル・フリードリヒ』にしたのよ。シロウならもうわかるよね?」
「ああ、ローレライから取ったんだろう? 姉さんらしい始動キーだな。と、まあそれはいいとして前からなにやらエヴァと話し合いをしていたのはそのことだったのか」
「そうだな。士郎、魔術回路とはいいものだな。自身の魔力だけという制限がつくが私も起動時に呪いは効いているがそれでもぼーやを相手にもう負ける気はしない」
「本当か?」
「はい。マスターの魔術回路起動時はイリヤ先生から教わった“身体強化”の魔術を使えば元から展開されている魔法障壁ともいい具合に合わさって二乗以上の効果を発揮いたしますから」
「あ、そうだったな…あくまで登校地獄の効力は外側から魔力を受け取るのを妨害するといったものだったな。それなら納得だ。それよりエヴァ、では姉さんはどれくらい魔法を使えるようになったんだ?」
「それがな…イリヤはずいぶん物覚えがよく初歩の魔法はほぼ習得。さらに
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