暁 〜小説投稿サイト〜
英雄伝説〜西風の絶剣〜
太陽と西風 空の至宝と少女の愛
第65話 襲撃
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いと前まで触れる事すらできんかったのに大したもんや」
「えへへ、ゼノさん達に鍛えてもらったお陰ですよ」


 さっきまで激戦を繰り広げていた人とは思えないほど友好的に接してきたが、慣れたあたしは特に何も思わずに自然体でそう答えた。


「フィーも随分と強うなったな。見違えたで、ホンマ」
「当然。わたしはもっと強くなる」
「でも攻撃の体勢に入ったら殺気が漏れたのはアカンで。ギリギリまで抑えんとな」
「了解。次は気を付ける」


 細めの男性……ゼノさんからアドバイスを受けたフィーは素直に頷いた。


「やったな、エステル。ゼノに触れられたのってこの一か月ほどで初めてじゃないか?」
「リィン君がレオさんを抑えてくれていたからよ」
「まあ『鬼の力』の力を使って漸くできるんだけどね。しかもレオはある程度は力を抑えていたから『破壊獣』の異名の凄さが改めて実感できたよ」
「リィン、そんなに謙遜するな。お前の鬼の力も全力ではなかったのだろう?それに今回は訓練だったから態々俺を抑え込みに来たが実戦ならもっと違うやり方をしたはずだ」
「まあね、実戦だったら絶対にレオとは力比べはしないよ」


 リィン君は自身の中にある異能の力を使ってレオさんと力比べをしていたみたいだけど、今回は訓練だからそうしただけで実戦では違う手を使っていたらしいわ。


 やっぱり年の割には戦闘経験が豊富よね。あたしも訓練はしてきたけど二人は実戦で腕を磨いてきたんだって改めて思ったわ。


「リィン、鬼の力を使っても大丈夫なの?」
「ああ、今のところは問題ないよ」
「無理はしないでね。もし暴走しそうになったらわたしが止めるから」
「ああ、その時は任せたよ」
「うん」


 フィーは心配そうにそうリィン君に言うが彼は笑みを浮かべながら心配しなくてもいいよと彼女の頭を優しく撫でた。フィーはそれを嬉しそうに受け入れていた。


「なんや、いい雰囲気やんけ。ボンも等々観念しよったか?」
「ん、返事はまだだけどね」
「かーっ!アカン、アカンでボン!女の子に気を遣わせたら男なんざ立つ瀬無くなるわ!」
「お前は友達止まりばかりだがな」
「そ、それは言わん約束やろ……」


 ゼノさんがリィン君を茶化したが、レオさんのツッコミにショックを受けていた。


「これは二人の問題だ、俺達が茶化すモノじゃない。なあリィン?」
「あはは……そうだね……」


 レオさんは真顔でそう言いつつもリィン君に視線を送っていた。そのリィン君は気まずそうに視線を泳がせていた。


「レオ、心配しないで。わたしも待つだけの女にはならないから。むしろリィンの方からプロポーズしてもらえるように彼を魅了して見せる」
「ふふっ、そうか。イ
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