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緋弾のアリア ―瑠璃神に愛されし武偵―
T La bambina da I'ARIA…
第004弾 凪優とキンジとアリア
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…。ラピュタより短いのは有り得ないし、そして住人が出てくるまで待つの。それフツーだし一般常識」
「なによそれ……って、げぇ凪優!?」
「人を見ていきなり『げぇ!?』はないんじゃないの、アリア!? 失礼にも限度があるんだけど。それとももう一回OHANASHIする? 私は一向に構わないのだけど」

そう、神崎・H・アリア。朝のホームルームでの問題児であるからして、最終的には凪優に(シメ)られたのだが……どうやら、トラウマにはなっているようで。アリアは小さくたじろぐと、

「ごめん、それだけは本当にやめて。えっと……話は変わるんだけど、トイレどこ?」
「トイレなら右手の2番目の部屋」
「そう、ありがと。あとキンジ、居るんでしょ? トランクを中に運んどきなさい!」

礼を手短に言って小走りにトイレに入るアリア。かと思えば、リビングにキンジが居ることまで察知したのか、入りざまに叫び捨てた。
それを聞いたのか、キンジがリビングから歩いてくる。

「おい、凪優。勝手に神崎を家に入れるなよ……」
「あぁ……ゴメン。ノリでついつい迎え入れちゃったわ。そうそう、キンジもアリアのこと下の名前で呼んだほうが良いわよ」
「ノリで行動するなよ……。ってか、『トランク』って、どれの事だよ……」
「あれの事じゃないの?」

そう言って凪優は、玄関先に鎮座する明らかなブランド物のロゴ入りの、小洒落たストライプ柄の車輪付きトランクを指さす。
そのまま手をひらひらと翻しながら、凪優は平然と告げた。

「ちょっと、作業も進めなきゃだし部屋戻るわ。何かあったら呼んで」
「あ、ああ……」

そう言ってキンジと別れ、リビングにある資料を取りに行って自室に戻る。
えっと……今朝の爆弾事件の報告書上がったら、次は戦姉妹(アミカ)制度とクエスト関連の資料制作だっけか。まさか、戦姉妹(アミカ)制度の生徒側主任──という名の副監督に就任するとは思わなかった。

そして、クエストの受注受け取りとランク毎に分類・開示する作業も頼まれるとは思わなかった。私、この年齢で早くもワーカーホリックになりつつある現状である。

だが、文句を言って仕事が減るわけでもなく、寧ろ増えそうなので、ここは頑張るとしよう。
暫く作業に集中して……ようやく一段落したのでデスクで背伸びを一つ。
そして時計を見る。デジタル方式の電波ソーラーの時計の時間は、16時42分を表示していた。

「もうこんな時間か……」

そう呟き、リビングに向かう。もうそろそろ宅配業者が来る頃だろう。私がリビングに到着すると、アリアは窓周辺を陣取るなり──

「キンジ、凪優。あんた達、あたしのドレイになりなさい!」

──私とキンジがアリアの奴隷になれという爆弾発言を行った。
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