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星河の覇皇
第七十二部第三章 ジャバルという男その三十七

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「そしてその結果言えますが」
「あの国もだな」
「敵に回すべきではありません」 
 そうだというのだ。
「決して」
「強いか」
「確かに技術や国力、人口では連合とは比較になりません」
「それでもか」
「はい、あの国はです」
 まさにというのだ。
「一つにまとまっていてです」
「強いか」
「はい、実に」
 そうだというのだ。
「連合との国力差はエウロパを一とすればです」
「連合は百だな」
「そこまで開いていますが」
「団結していてか」
「はい、力をまとめています」
「中央政府の下にだな」
「国民性もです」
 エウロパのそれもというのだ。
「いざとなればです」
「団結する国民性だな」
「そして文化もです」
 それもというのだ。
「連合のそれとは違いますが」
「連合は大衆文化だな」
「そうです、まさにです」
 ジャバルの連合の文化についてはこう言った。
「大衆文化そのものです」
「しかしエウロパの文化は」
「貴族文化です」
「伝統的にそうだな」
「平民階級もです」
「その貴族文化の影響が強いな」
「そうです、貴族が文化も創造し」 
 彼等の資産で育ててだ、連合は大衆の中のアーチストや企業が主となって文化を担うのに対してである。
「平民もその中にいますが」
「根本はだな」
「貴族文化です」
「伝統的にそうだな」
「その貴族文化もです」
「素晴らしいな」
「文化は同じ物差しで測れません」
 こうもだ、ジャバルは言った。
「そしてエウロパの文化もです」
「見事であってか」
「連合のそれに引けを取りません」
「技術は遅れていてもか」
「確かにエウロパの技術は遅れています」
 連合、この国に比べてだ。
「我々以上に」
「数百年はな」
「特に惑星開発、開拓のそれは」
「遅れているな」
「はい、しかしです」
「国家は一つにまとまり」
「文化は成熟し続けさらに」
 ジャバルがさらに言うことはというと。
「軍隊はです」
「強いな」
「技術や数をカバーしているものがあります」
「練度か」
「連合軍は数と技術で戦う軍隊です」
 そしてシステムでだ、連合軍は将兵の質よりもそちらで戦うことを念頭に置いている軍隊なのである。
「それに対してエウロパは」
「軍事自体を極めて研究してだな」
「将兵達を徹底的に鍛えている」
 訓練に次ぐ訓練でだ。
「そうした軍隊です」
「まさにだな」
「はい、十億の軍隊がです」
 その彼等がというのだ。
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