暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth25-B圧倒的暴力と超絶的暴力〜Adversa Virtute RepellO〜
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†††Sideオーディン†††

どうして気付かなかったんだ。エリーゼと、無事に目を覚ましたアンナに言われるまで、ある手段が思い浮かばなかった。魔力供給。その連続。そして魔力吸収の魔道・女神の救済(コード・イドゥン)。この3つのキーワードが、エテメンアンキ攻略の鍵となる。
“界律の守護神テスタメント”としての干渉能力を扱えず、魔術に頼り切るしかなかったこれまでの数ある契約のうち、今回ほど恵まれた事はない。そう、これまでとは違って使用できる複製術式や物品の制限が緩い。魔力制限の問題さえクリアできれば、

(かつての魔術師ルシリオンとしての強さを取り戻せる)

面前の前に持ってきた左手を強く握り拳にする。そして軽く魔力を放出。魔力は蒼い光となって私の周囲を照らし出す。そんな中「お綺麗ですね」そう声を掛けられ放出を止める。振り向いてみると、やはり「オリヴィエ王女殿下。それに・・・」オリヴィエとその側近である1人の少女が居た。

「騎士リサ。もう起きてきて平気なのか?」

「はいっ。オーディンさんの魔導のおかげでもう全快ですっ♪」

ゼフォンに殺されかけたリサが笑顔を振りまく。本当に良かった。もし“堕天使エグリゴリ”関係で死者が出たとなると、もう自分を許せなくなる。リサは元気を証明するように小躍り。シャルとは違って上手いな。音痴や踊り下手はフライハイト家の遺伝ではないらしい。

「そうか。・・・オリヴィエ王女殿下。先の会議でお話しした件ですが」

「っ・・・・申し訳ありません。騎士シグナムや皆さんからお聞きしました。オーディンさんがご立案なされた今回の計画、オーディンさんの記憶が犠牲になると」

「それ、本当なんですかっ!? エグリゴリの問題じゃないのに、どうしてそこまで――」

「ベルカが好きだからだよ。イリュリアとエグリゴリとの戦いが決着すれば、私はベルカを去る事になる。それまではベルカの為に力になろうと思う。途中で投げ出すようでクラウスやオリヴィエ王女殿下ら皆さんには申し訳ない気持ちでいっぱいだが。しかし――」

「いいえ。本来であればオーディン先生はエグリゴリだけに専念できていたはずです。ですけど貴方はそうはせず、記憶を犠牲にしてまでベルカの為に御力を使ってくれました。途中で投げ出す? いいえ、それは違います。それがオーディン先生にとっての決着なんです。ですから後の事は御気になさらず、心置きなく旅立ってくだされば、こちらとしても嬉しいです」

オリヴィエがそう微笑み、しかし「ですが本心を言えば、エリーゼ卿と御結婚していただければよかったのになぁ〜なんて思っていました」最後に本音を漏らした。リサも「これからも一緒に戦っていきたかったです」と心底残念そうに俯く。それにはただ「申し訳ありません」と謝る事しかできな
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