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レーヴァティン
第百十八話 古王国その十

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「ですから」
「それはしないでな」
「休み体勢を整え」
「それからだよな」
「そうして攻めましょう、ただ」
 源三はこうも言った。
「敵が来たならば」
「ツブルクにな」
「その時はです」
「戦うべきだな」
「ツブルクを拠点として」
 このことは攻める時と変わらなかった、この街は攻めるにしても守るにしても対古王国の最前線の拠点だった。
「そうしましょう」
「何といってもツブルクってことか」
「はい」
 まさにと言うのだった。
「古王国との戦は」
「そうだな、じゃあな」
「はい、まずはです」
「ツブルクに向かうな」
「そうしましょう」
「それで主に航路からか」
「半島やカルタゴから兵糧や武具を運び」
「戦の用意をしながらな」
「そして将兵達を休養させて」
「英気を養ってな」
「攻め込みましょう」
 そして攻めてきたなら迎え撃つというのだ。
「そうしましょう」
「じゃあツブルクまで行くな」
 今はとだ、こう言ってだった。
 久志は軍勢をツブルクまで向かわせた、次第に疲れが見えていた軍勢はツブルクに着いた時には相当な疲れが見られた。それでだった。
 久志は必然的に軍勢を休ませた、そうしつつ航路から半島そしてカルタゴから兵糧や武具を運ばせた。
 そうしつつ古王国の状況を密偵達に探らせていると尋常でないことがわかった。それは何かというと。
 久志はツブルクに構えている本陣で仲間達に言った。
「古王国の軍勢は七万でな」
「その中で、でござるな」
 進太が久志に応えて述べた、卓を囲んでいるがそこには古王国の地図が開かれている。当然彼等が今いるツブルクもそこに載っている。
「多くの術を使う将兵に」
「あと駱駝騎兵か」
「駱駝でござるな」
「あれな、そう言えばここじゃな」
 南岸ではとだ、久志は述べた、
「結構いるよな」
「そうでござるな」
「動き速いよな」
「砂漠の中では」
「元々乾燥帯の生きものだしな」
「砂漠の暑さにも強いでござる」
「馬よりもな、それに乗って戦うか」
 久志はその駱駝騎兵についても言うのだった。
「あと普通の騎兵もな」
「存在しているでござる」
「そうだよな、騎兵隊もいてな」
「砂漠からでござる」
「ゲリラ的に仕掛けてきそうだな」
「軽騎兵の使い方としては」
 源三が言ってきた。
「いい戦い方です」
「だよな、古代王国はナイル川流域を治めていてな」
「南岸で最大勢力であり」
「兵も多くて文化も進んでいてな」
「それでそうした騎兵もですね」
「持ってるな、砂漠での騎馬戦術か」
 久志は苦い顔で言った。
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