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レーヴァティン
第百十八話 古王国その五
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「だからそんな奴はな」
「もう死刑にするしかないですか」
「そうだろ、あと無期懲役とかな」
「それは、ですね」
「そんな奴税金で食わすとかな」
 久志は眉を顰めさせて話した。
「それもな」
「税金の無駄遣いですね」
「それが一番の無駄遣いだろ」
 凶悪犯を長期に渡って牢獄に入れておくこともというのだ。
「だからな」
「死刑自体もですね」
「税金の使い方って意味でもな」
 この視点でもというのだ。
「余計にな」
「死刑は、ですか」
「あっていいだろ」 
 久志はこう順一に話した。
「お前は処刑を言ってもまだ躊躇しているけれどな」
「久志君はないですね」
「実際生きる価値のない屑いてな」
 この世界にもというのだ。
「それでな」
「処刑しないとですね」
「世の害になるからな、最悪そうした奴が野放しになってな」
 日本にもこうした話がある、殺人鬼が人権派か何かの運動で無罪となって殺人事件を起こした。そうした話もあるのだ。
「それじゃあ政はな」
「失格ですね」
「だろ?だからな」
「やっぱりな」
「そうした外道は、ですか」
「死刑にするしかないんだよ」
 これが久志の主張だった。
「政をするならな」
「司祭でもですね」
「むしろ坊さんこそな」
 つまり聖職者こそがというのだ。
「人を大勢殺してるだろ」
「それは」
「キリスト教だとな」
「十字軍等で、ですね」
「ああ、当時のキリスト教がどうかしていたけれどな」
「宗教を大義に政治を行っていて」
「しかもえらく腐ってただろ」
 久志は教会の腐敗も指摘した。
「日本じゃ考えられない位にな」
「バチカンの腐敗ですね」
「比叡山の坊さんが腰抜かす位にな」
 その腐敗を知ればというのだ、信長にその腐敗を糾弾された比叡山の僧侶達ですらそうするというのだ。
「それで末世だと言うな」
「確かにそれ位は」
「あの頃教会酷かっただろ」
「酒色に耽り蓄財に励み」
「信仰なんてかなり怪しくてな」
「異端審問や十字軍で多くの血を流させました」 
 搾取に虐殺、そうしたことにも熱心だったのだ。それも私利私欲によって。
「どちらも酸鼻を極めました」
「どいつもこいつも殺せとか言ってたよな」
「アルビジョワ十字軍ですね」
 順一はすぐに答えた。
「あの時に」
「神様があの世で見分けるとか言ってたな」
「犠牲者がカトリックか異端か」
「それで無差別に殺しまくってただろ」
「はい、破壊と略奪と虐殺に走りました」
 南フランスの異端カタリ派を攻めた十字軍である、それで百万人の犠牲が出てしまったとさえ言われている。
「あの十字軍では」
「中東への十字軍も酷かったしな」
「十字軍には虐殺と破壊が常でした」
「略奪とな」

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