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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第32話
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、公爵家はともかく二人が貯めこんでいた金くらいはエレボニアの為に活動するつもりでいるオリヴァルト殿下や俺達活動資金として有効活用するべきだ。」
「ユーシス…………私も母様の口座なら勝手に使っていいわ。どうせ母様の事だから、戦争するつもりでいるエレボニア帝国政府に兵器の売り込みをしているでしょうから、自業自得よ。…………まあ、母様の事だから、IBCの自分の口座からお金がなくなったとしても母様にとってはあまり痛手じゃないような気もするけどね…………」
静かな表情で申し出たユーシスの申し出を聞いたアリサは複雑そうな表情をした後ユーシスに続くように母であるイリーナ会長をジト目で思い浮かべながらユーシスと同じ申し出をした。

「…………ヴァイス。先程の口座の件だが、父上――――――ユーゲント三世個人のIBCの口座も引き出せるのかい?」
「ああ。それで”依頼”の件の提案はどうする?」
オリヴァルト皇子の質問に答えたヴァイスはアリサ達を見回して問いかけ、アリサ達がそれぞれ視線を交わして頷くとトワがアリサ達を代表して答えた。
「その提案、謹んで受けさせて頂きます!」
「――――――結構。現時点を持ってクロスベル双皇帝が一人、ヴァイスハイト・ツェリンダーの名の下にベルガード門、タングラム門とその付近を除くクロスベル地方での”紅き翼”の活動の許可を宣言する。――――――英雄(リィン)を欠いたお前達がこの状況で何を為せるのか、個人的に楽しみにさせてもらおう。――――――行くぞ、リセル、マルギレッタ、リ・アネス。」
「「はいっ!」」
「ハッ!」
トワの答えを聞いて頷いたヴァイスはその場で宣言した後静かな笑みを浮かべてオリヴァルト皇子達を見回してから外套を翻してオリヴァルト皇子達に背を向け、そしてリセル達と共にその場から去っていった。


こうして…………クロスベル地方の帝都であるクロスベル市を含むほとんどの場所での活動できるようになったアリサ達は”太陽の砦”で匿われているアルスターの民達からの情報収集を再開した――――――
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