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【完結】Fate/stay night -錬鉄の絆-
第022話 4日目・2月03日『対策。そして怯える夜』
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いですわ。命令があればすぐにその魔術師を排除できますわ」

妖艶の笑みを絶やさず浮かべながらそう宣言するキャスター。
でも、きっと他に考えていることがあると思う。

「でも、まだ攻め込まないんでしょ…?」
「はい。やはり志郎様は聡明ですね。先のことをしっかりと考えています。私がまだ警戒するのはこの聖杯戦争が始まってからまだ姿を現さない暗殺者(アサシン)のサーヴァントの存在ですわ」
「やっぱり…そうなのかな?」
「はい、恐らくは…。暗殺者無勢にやられるとは思っていませんがもし宝具が強力なのであればもしやも視野に入れておかねばなりません。もしかしたら今もこの屋敷に侵入しているかもしれませんからね」
「キャスターの結界内にそう簡単に侵入できるものなの…? アサシンの気配遮断のスキルは…?」
「まだ分かりませんが用心に越したことはありません。ですから志郎様もお気を付けください」
「うん、わかったわ」

それで私はキャスターとの会話を終えて部屋を出ていく。
異様に広いこの屋敷はふと夜にでもなれば電気をつけないとお化け屋敷のようなものに変化する。
ギシッ、ギシッ…と小さいながらも年月を感じさせる音を響かせながら自室へと歩いていく私。
ふと、首筋になにかが這った様な、そんな錯覚を覚えた。
それでつい首を何度も擦る。まさかね…?
先程のキャスターの話で緊張しているのかもしれない。
すでにこの家の中にはアサシンが侵入しているのかもしれないという恐怖感が少しばかりある。
もしそんな事があれば屋根の上で警戒しているアーチャーか私の異変に気付いて颯爽にセイバーが助けに来てくれるという安心感があるからいいけど、やっぱり一度怖いという感情を覚えると部屋までの道のりが遠く感じてしまう。
そんな思いを感じながらやっとの事で部屋へと到着して襖を開けるとそこにはセイバーがいた。

「おや?シロ…? どうされましたか。少しばかり表情が強張っていますよ」
「うん…セイバー、少しいいかな?」
「はい。なんなりと」
「今日は、一緒に寝てもらっていいかな…?」
「別に構いませんが、どうされたのですか…?」
「うん。ちょっと子供っぽい感想なんだけど自分の家がなぜか別次元に入り込んだような錯覚を覚えちゃって…」
「つまり怯えてしまったのですね」
「うん。柄じゃないよね…?」
「そんな事はありません。シロもまだ可憐な少女なのですからそんな気持ちになる事もさほど珍しいことではありませんからね」
「ありがとう、セイバー」

それで私はセイバーと一緒の布団で今夜は寝ることになった。
どうか悪い夢ではなくいい夢が見れますように…。



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