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【完結】Fate/stay night -錬鉄の絆-
第002話 1日目・1月31日『魔女との出会い』
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お父さんが逝ってから五年。
私はそれから独自ではあるがお父さんが残してくれた様々な魔術書を読み漁りながらも平行して魔術鍛錬、戦闘訓練をしていた。
姉代わりの藤村大河にはたまになにをしているのか尋ねられたことはあるが、体を鍛えている、物の修理をしていると表向きの理由ではぐらかしていた。
ちなみに藤村大河とはお父さんの娘になったときからの付き合いで通称藤ねえ。
以前に大河さんといったらバックに虎のようなオーラが見えて怒られた為に試行錯誤の末に現在の呼び名に収まっている。
実際、藤ねえの祖父の雷画お爺様には、お父さんの死後、遺産相続やら葬儀の手続きなどで散々お世話になったこともありとても感謝している。

そして今日、私はなぜか土蔵で寝ていることに気づいて起きたら隣には私の妹分の後輩、間桐桜が座って私の顔を眺めていた。
間桐桜とは私の一つ年下の後輩で、一年位前に私が怪我をした時に食事を作りに来てくれるようになって今では当然のように家の手伝いをしてくれるようになった。
桜は御三家のうちの一つ、マキリの娘さんだけど本当は同じ御三家の遠坂家の養子らしい。
桜自身はそのことは話してくれていないけど私は色々裏から情報を入手しているから知っている真実だ。
当然、私が魔術師だと言うことを桜は知らない。

「おはようございます、先輩」
「ふぁ〜……うん。おはよう桜。ところでなんでじっと私の寝顔を見ていたの?」

私は長い赤髪を掻き上げながら桜に尋ねてみた。
実のことを言うと私の身長は桜よりも小さくて童顔も相まってよく中学生に勘違いされてしまうからかなり悲しいことである。
だけど胸は桜ほどではないけどあるから悲観はあまりしていない。

「それは…その、先輩の寝顔はとても可愛くて、その…」
「…うん、もうわかったわ。それじゃさっさと食事を作らなきゃ。藤ねえが怒っちゃう…」
「あ、それは大丈夫です。もう下ごしらえは済ませておきましたから」
「桜、ありがと…それじゃちょっとシャワー浴びてくるわね。このままじゃまた怒られちゃうから」

私は今着ている作業着を見ながらそう言った。

「はい。わかりました」

私はお風呂までの道のりの途中にある居間まで一緒に歩いていった後、別れて朝のシャワーを浴びた。
そこで、ふとあることに気づいた。
私の左手の甲になにやら痣のようなモノが浮かんできている。
桜は気づいていなかったようなのでこれは令呪の兆しなのだろう。
お父さんがもしもの時の為に私の体にもし令呪の兆しが現れたら他人には――他の魔術師にも気づかれない――絶対見えないように隠蔽魔術をかけてくれていたので助かった。
それで結論は、もう聖杯戦争の始まりが近づいていると言うことだ。
召喚するとしたら今夜、ということなのだろう。


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