第三百七十三話 海上での緒戦その十一
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「俺が作ったから」
「全部ですか」
「デザートのプリンもね」
「凄いですね」
「津上君はシェフだからね」
小沢はアルフォンスに話した。
「だからね」
「全部作ることが出来るんですか」
「そうなのよ」
「凄い料理の腕ですね」
「天才って言ってもいいわね」
「本当にそうですね、ただ」
「ただ?」
「フランス料理が専門でしょうか」
アルフォンスはここでこうも思って言った。
「果たして」
「いや、それはね」
その津上から言ってきた。
「確かにアギトはフランス料理が多いけれど」
「他の料理もですか」
「そうなんだ」
「じゃあ和食も中華もですか」
「何でも作られるよ」
実際にというのだ。
「鯖を使った料理は特にね」
「鯖ですか」
「フランス料理ではあまり使わないよね」
「和食ですね」
アルフォンスもこう答えた。
「鯖は」
「そう、それでね」
「和食も中華もですか」
「作られるからね」
フランス料理だけでなくというのだ。
「本当にね」
「そうなんですね」
「それだと」
ここでだ、今言ったのはエミリアだった。
「ブリタリア連邦もね」
「あっ、そこでそのこと言います?」
エミリアの今の言葉にクラウディアは嫌な顔になった。
「そのことを」
「だってブリタニア連邦ってね」
「お料理についてはですか」
「どうもね」
困った顔で言うのだった。
「今一ついやこれは」
「今二つですか」
「どうしようもない?」
今二つよりさらにというのだ。
「この学園に来てわかったから」
「それを言われますと」
どうにもとだ、クラウディアも困った顔で言うしかなかった。
「困ります」
「何か本当にね」
「ブリタリア連邦のお料理は」
「昔からね」
「評判がよくないですね」
「そうなんだよね」
「他の国と比べましても」
二人共項垂れて言う、そしてここで尾室も言った。
「そのこと何となくわかるよ」
「尾室さんもですか」
「そうなんですね」
「ブリタリア連邦ってイギリスだからね」
彼は自分が知っている国の話をした。
「それならわかるよ」
「お料理はよくない」
「そのことが、ですのね」
「何となくでもね」
それでもというのだ。
「わかるよ」
「実際になんです」
クラウディアはまた言った。
「我が国についても」
「つまり連邦全体がなんだ」
「文化圏としてです」
まさにその単位でというのだ。
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